石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その七十三
先日、健康診断の帰り道、前日の夜から何も口にできず、終了がお昼だったものですから、お腹が空いて空いて、思わず定食チェーンの「やよい軒」に入ってしまいました。
ちょっと言いにくいのですが、前回入った時の印象はQSCのレベルがイマイチでしたので、その後2年ぐらい見かけても入る気はまったく起きませんでした。
まあ、今回は、空腹に耐えかねて入ったというのが本音です。
入店して「おやっ」という感じがしました。
ホールスタッフの出迎えや動きがとても良いのです。
なにより店内のお客様の数が満席状態で、お昼とはいえ、前回の時とは格段の差を感じました。
2年の間に何があったんだろう。
様子を見て考え、いくつかのことに気がつきました。
細かいところは控えますが、もちろんQSCのレベルは上がっているのは間違いありません。
責任者であろう方の動きもとても良くなっていました。
これだけでも確かに来客数が増える理由にはなるでしょうが、最も石田が感じたのは「徹底した行動」と「風潮」がピッタリあったのではないかな、と。
「御飯は食べ放題となっておりますので、ライスのコーナーでご自由に御取りになってお召し上がりください」
この言葉が料理が運ばれるたびに丁寧に繰り返されるのです。
石田もいる間、耳にたこができるほど聞かされました。
一度ぐらいお代わりしようかなと思いましたがグッとこらえたのでした。
前の時はこのような印象がないのは、表記があるくらいで、言葉は言ったり言わなかったりだったのではないでしょうか。
御飯の器はちょっと小さめです。
お代わりコーナーはひっきりなしに人が行っています。
隣の男性など3回もお代わりしていました。
健康、ヘルシー、ダイエット、ゼロカロリーのヒットなど、風潮の逆をいく策もなぜか当っているような・・・。
『表裏一体はヒットの法則』
「食べるラー油」がなかなか買えないほどヒット、マクドナルドのメガな高単価高カロリーバーガーがヒット、上半期の食品ヒットの横綱はコンビニのプレミアムロールケーキ、なんてニュースを聞くと、デフレ・低価格路線で一色だったちょっと前のマスコミを含めた風潮は終わったのかと思ってしまいますが、実際はそうではありませんよね。
相変わらず頼みもしてないのに自意識の不安から安売りをしている企業も多いですね。
安くすること以外に考えが浮かばないのかもしれません。
でも消費者の心理は「もうこれ以上我慢したくない」となるとちょっと贅沢でも手を出すものです。
マクドナルドなんて店の中に格安と贅沢を同居させて成功しているのですからたいしたものです。
認めるしかありません。
石田の顧問店の中にも成功している店がありますよ、いつものマーボー豆腐もあるけど贅沢マーボー、いつものハンバーグのほかに贅沢なハンバーグなどなど、風潮はあるけど風潮の裏にもヒットが隠れているのも確かな気がしますね。
時代の流れなんだと変な納得をしないで上下、左右、表裏など考えて見れば、逆の発想は真理かもしれませんね。
朝、シャンパン飲んで「私、毎朝、朝シャンしてるの」とのたまう人がいるのも現状だと高単価狙いの業態に挑戦している会社もあるようです。
ではまた。