石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その八十

妻「友達からハワイに行かないかって誘われているの。旦那さんもいっしょにどうかって。」

夫「あぁ、行けたらいいなぁ。」

妻「ついてくるなら話しするわよ。」

夫 「おいぉい、ついて行くじゃないだろ、友達はいっしょにと言っているんだろ。あ、そうか、お前、オレが行けば、食事やなんかオレが金出すからいいと思っているんだな。いっしょに行きたいわけじゃないな。行かないヨ。」

妻「何言っているの、そんな意味で言ったわけじゃないわよ。ひねくれ者ね。いっしょに行けたら楽しいだろうなと思って誘ったのに。あ、そうよね、ウチお金ないものね。のんきに旅行に行こうなんて、誘った私が悪かったわ。」

夫「そんなこと言ってないよ。」

妻「いつでも、あなたは私の言うことを悪くとるのよね・・・。」

どこのウチの話でしょう。

夫は黙って我慢、後で謝ったそうであります。

この会話まさにボタンの掛け違いが事を大きくしたような感じですね。

愛し合う(!?)夫婦でさえこの有様、店の恋人であるお客様とスタッフで起こったとしたら・・・。

 

『気付いてしない人はサヨウナラ』

顧問店でのことです。

「すみません、おそば、まだ大丈夫ですか?」

オーダーストップ間近の店に入ってきたお客様がおそらく何度か来ていて、時間を知っておられてこのように聞いたのでしょう。

聞かれたスタッフはこう答えました。

「ウチ、蕎麦屋ですからね。」

人間はこの場合、4種類に分けられます。

相手の言っていることを、

・気付かず対処しない人…「え!?大丈夫ですけど何か?」

(相手の気遣いが解らず確かめてしまう。悪気はない。)

・気付かず対処する人… 「え!?大丈夫ですよ。」

(相手の気遣いは解らないが、その場を収めるためにとにかく良い雰囲気にまとめる。)

・気付いて対処しない人…「え!?何を言っているんだろう、知ってるくせにわざわざ聞いているよ。そんな気遣いいらないよ。」

・気付いて対処する人… 「ありがとうございます。大丈夫です。」

(お客様の気遣いに対する感謝、来店いただいたことの感謝がある。)

この内、教育でなかなか修正が難しいのは、3番目の気付いて対処しない人です。

能力はあっても性格に問題があるため、伸びることが難しいのです。

他の業界より心情流通による販売が能力として認められる飲食店ですから、このような人は「向いていない」ということです。

「向いていない人」をいつまでも店に置いておくと知らぬうちに固定客を失うことになりますし、新規客を掴むチャンスも失うことになります。

このような方は早急に他店に行っていただくのが賢明な処置でしょうね。

あ、ちなみにウチの奥様は性格がいいので、いつまでもウチにいていただくのは

言うまでもありません。