石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その106

「パパ、私の友達がお給料貰えないんだって、どうしたらいいの?」

娘の友達が勤める会社の内容が悪いらしく、遅配続きの給料について説明を求めに行ったら、いつの間にか退職の話になって、あげくにその月の給料も振り込まれず、連絡したら「急に辞められたので迷惑料を差し引かなくてはいけないから時間がかかる」と言われたそう。

世間ではアベノミクスで高揚している様子ですが、こんな話を聞くと首をひねるしかありません。

この話の経営者については明らかに非があると言わざるを得ませんが、娘に細かく対処を説明した後、なんだかその経営者の今の経営状況を想像すると、同情の念も・・・・。

 

『ともに戦える社員を創れ』

安心と安定を求める従業員と、それを与えられるように頑張る経営者という図式が我々業界に対立として目立つようになったのはいつからなんでしょうか?

週休2日、週40時間労働というような技術、能力には当てはまらない制度が確立されてからではないでしょうか。

働くということを技術的伸長や能力ではなく、時間の経過で測るようになったため、頭の弱いヒトは時計を眺めて職場で過ごすことになっているのです。

「先生、誰か経営者やってくれる人いませんか?

なんだか従業員の給料と税金のために働いている感じですよ。

贅沢してるわけでもないし、遊んでもいないのに・・・」。

「遊んで贅沢できるためだけに社長になったんじゃないでしょ。

自分のやりたいことをやって生きがいにたどり着くことができて、その副産物が贅沢でしょ。

経営の数字に追われて自分のホントにやりたいことを忘れたらだめですよ」。

こんな会話をしたことがありますが、社長自らが数字に巻き込まれて、本来の想いを忘れてはいけませんね。

自分がやりたかった仕事、創りたかった会社(店)を社員に語り続けることが社員を作ることになるのです。

時計を見て過ごす社員を振り返らすのは社長の言葉です。

社長の想いに共鳴し仲間になれる社員が現れれば、孤独感が癒されるだけではなく、率先垂範の仕事ぶりが全体に良い影響を与えることにもなります。

終身雇用、家族的経営という言葉が当たり前の時代、そこには忠誠心とか愛社精神という言葉がセットでついていたものです。

それは遠い昔でしょという方がいるかもしれませんが、今年の大手新入社員のアンケートでは終身雇用を望む方が70%だとか、先進国の中でまだまだ会社に対する思いはトップなのが日本です。

社長の思いが社員の思いになるように語り続けましょう。