石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その107
「コーヒーかお茶、それと食事の後は、デザートに決まってんだろ~。何かないの?」
「まるで、殿様ね。たまには自分でやりなさいよ」
「早く出せよ。どうせやるなら、笑顔で気持ちよくね」
「はあ?いい加減にしなさいよ、“お願いします”は?」
「お願いしますっぅぅぅ!」
「なんでこんな人と・・・」
まあ、いつものたわいない我が家の会話ですが、ヒトは何だかんだ言っても生まれた土地や環境、ヒトとの出会いが人生を変えるのかもしれません。
ただ、どんな悪い環境でも、悪い人間に出会っても、立派な人生を送っている人はたくさんいらっしゃいます。
おそらく、逆境の自分を考え“どうすれば”という手段をたくさん見つけていったんでしょうね。
なんだかお店も人生ならず“店生”があるとしたら・・・。
『“場”と“時”に合わせた成功は必ずある』
コンビニエンスが最近、少量惣菜に力を入れています。
高齢者狙いです。
昔始めた頃は「11時過ぎまでやっている」や「24時間営業の時間の便利さ」で若い層に訴えた彼らが方向を変えているのです。
片道300mしか歩かない高齢者には、スーパーや大型SPSよりピッタリです。
戦略戦術を常に考察する彼ららしいことですね。
飲食店だって負けてはいません。
仕事柄、全国を回っているとお店の環境の違いをつくづく感じさせられることがあります。
冬は雪でどうにもならない、大企業の撤退で人口が激減、商業施設ができて客の流れが変わった、過疎化が進んでいる、大手が続々出店してくる、若者がいなくなり年寄りの街になった等々、あげていくとキリがないほど逆境に見舞われているお店は多いものです。
ところが生き残るために出会った環境をしっかり分析して、手段を講じていることが今の成功に通じている方々がたくさんおられることも事実です。
人口減をデリバリーで補ったり、お年寄りの時間に合わせて早くお店を開けたり、大手にはできない技術を前面に押し出したメニュー作りをしたり、中年以上を対象に健康メニューをメインにしたりと、つまり逆境の数だけ手段もあるということなのです。
家賃が高い所は無理なので、親の後を継いで、土地を持っていたから、たまたま調理の仕事に就いたから、金がないから小さい店に、等々、お店を選んだ動機はいろいろあります。
ですが、それが理由で店がダメなのだというのは早合点にしか過ぎないのです。
諦めることなく次の手段を考えましょう。
終わりなき戦いが経営なのですから。