石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その109

「先日行った廻り寿司の店ひどかったんですよ。

レーンに全く鮨がなくて、頼んでもなかなか出て込なくて、挙げ句の果てに催促したら、それは品切れでありませんですって」。

「災難だったね~」。

「ホント、数皿食べて、プンプンで帰りました」。

石田が毎月行ってる顧問先のお嬢さんの体験談です。

呆れた内容ですね。

ちょっと考えてみましょう。

 

『時間もご馳走と考えよ』

廻り寿司に行くお客様の楽しみは目の前で品定めができて、動きのある商品が心の衝動のまま、リアルタイムに食べられることにあります。

また、ほとんど待ち時間がなく、昼の会社員や待たされるとじれる小さなお子様連れのママさんにとっては便利性もある業態のはずです。

お嬢さんの言葉には商品の評価はひとつも語られませんでした。

それほど本来あるべき特性が全くなかったということでしょう。

つくづく思いますが、飲食店がお客様に提供するご馳走というのは商品だけではないんですね。

シチズンホールディングスの調査(20~50代のビジネスに関わる男女400人)によると待ち時間のイライラゾーンは総合病院では45分までに過半数が、役所では15分までに7割が入るそうです。

人は何もせず、ボンヤリ待つと長く感じるもの。

石田は飲食店での入店待ち時間は20分を考えて、イスを用意する、メニューを渡す、待ち時間の目安を伝える、ひとくちドリンクのサービス等の緩和策を考える事、そしてまた、商品提供の目安はレストランの12分~15分をモデルにするよう言ってきました。

2~3時間入店待ちの店や1時間半商品提供待ちのうなぎ屋とかありますが、それはお客様の納得の上に成り立っているのですから構わないのです。

以前地方の駅前立ち食いそばの店から呼ばれ、

「ここら辺の客は何もわかってない。

ウチは品質一番だから、時間がかかるんだ。

天ぷらだって注文受けてから揚げている。

なのに、機嫌悪そうに帰る客がいるんだからまいっちゃうよ」という、まいっちゃう店主に出会った事があります。

これから電車に乗る人がチョットそばでもと入った店で、想像以上に待たされたら不機嫌にもなりますよね。

分かってないのは店主の方です。

業種業態によって違いがあるのも当然です。

フレンチや懐石はスローな時間を楽しみますよね。

ともかく自分の店の特性をしっかり把握して、それに合った時間の対策法を考えましょう。

あ、ちなみにパソコンのネット接続は待ちが10秒で5割以上がじれるそうです。

まったくヒトというのは時を見たこともないくせに、時計を勝手に作って振り回されてるんですね。