石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その119

「パパ!マグノリアベーカリーが日本上陸ですって。

表参道だから会社の近くでしょう、オープンしたら買ってきて!!」

愛する娘からの突然の発言です。

「そうよ、ムスメの願いをかなえない父親ってサイテーよ。

私も食べたい」

奥神様の追い討ち発言です。

「マ、マグなんとかリーってなんだそりゃ」

「あなた、フードコンサルタントでしょ?

恥かくわよ。

セックス・アンド・ザ・シティに出てくるカフェベーカリーのカップケーキよ。

知らないなんて・・・」。

「ちっ、そんな芸能人が食ってるからって旨いとは限らねーぞ。

ましてあんな低俗なヤンキー娘のTVドラマでの話だろ。

ニューヨークの娘がみんなあんな女のわけが・・・・・・・・・」

「話、終わった?

買ってきてね!!」

「はい」

ちなみにまだオープンしていないのですが、オープンしたら2時間は待つのでしょう。

メディアのパワーはホントでかいということです。

最近はそのメディアにITがからんで影響が・・・。

 

『メディア・ITパワーは上手に使え』

「先生、先月からウチの店バクハツしてるんです」

渋谷の「渋三」の望月社長と店内で待ち合わせ、テーブルに座った途端の言葉です。

「え、どういうこと?」

「見ていれば、わかりますよ。

ホラホラまた」

社長が目配せする方向をみると店頭に女性が3~4人、中をのぞいています。

その視線の先にはやはり女性の2人組が美味しそうにラーメン、餃子、チャーハンを食べています。

暫くしてその2人が退店すると中をのぞいていた女性が勢いよく同じ場所にまっしぐらです。

「えっ、何、これ。

どういうこと?」

ちょっと驚きです。

店頭にはまた新たな女性ののぞき組が待機しています。

社長の説明を聞いて、時代はずいぶん変わったものだなあとつくづく思いました。

この店には以前から芸能人が多く訪れていますが、サインをお願いしたり、話しかけたりするのはせっかくゆっくり食事を楽しんでいる時間を邪魔することになるので、社長の意向もあり余計なことはしないようにしていました。

店の力でお客様を呼ぶという地道な努力を重要視してきたわけです。

ところが先月、以前からよく来店していた韓国スター「東方神起」がいつものように来店して食事をしていたのですが、スマホを手にツイッターで楽しげにつぶやいたようなのです。

その際、仲間も写真を撮って流しました。

店名も場所も明記せずやったことのようですが、たまたま写っていたビールのジョッキに店名ロゴがあったことをファンは見逃しませんでした。

店名ロゴで店を特定し、さらには東方神起が座っていた同じ席に座りたいというファンで、
前述のような爆発になっているというわけです。

ITメディア、恐るべしということですね。

簡単にスターを利用することはできませんが、ITを上手に活用することは少なからず店の拡販につながるということです。

何ができるか各店考えるべきではないでしょうか。

ただ付け加えますが、IT戦術も商品・店舗力があっての施策の一つだとお考えください。

渋三の女性たちがもう何回もリピートしているのは、それがしっかりしているからなんですね。

ではまた。