石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その121

「なあに、そのお腹、ホント少しは考えたら。アァ嫌だ。」
  
「なあに言ってやがる、美味しいご飯を腹いっぱい食べて幸福感を味わってるんだ、

うるさいこと言うんじゃないよ。」

「あのね、食べすぎなのよ、お酒は飲むわ、たばこは吸うわ、運動はしないわ、身体のこと全く考えてないでしょ!」

「ちっ、ご飯は生きているんだから食べます、酒はつきあい、たばこは習慣、運動は会員になってるけど時間がないなあ、ま、しょうがないな。ゲフッ。」

「あぁ嫌、いろんな意味で嫌!」

てなわけでウチの奥神様にはかなり嫌われているようでありますが“いろんな意味で嫌”ってのはちょっとヤバいですね。

ハハ。

 

『お客様の“嫌”を少なく、少なく。いつも何か手段を講じる』

石田がよく行く居酒屋がありますが、いつもお客様がいっぱいで繁盛しています。

もう40年以上つづいているチェーン店で学生のころからちょこちょこ利用しているのですから、どれくらいのお金を落としているかというと車2~3台分は間違いありません。

商品がいいのかというと季節ごとにフェアは欠かすことがない姿勢はえらいなとは思いますが唸るほどの商品に出会ったことはありません。

価格が安いのかというと安いのは間違いありませんが驚くほどではありません。

最近は結構いっちゃうなという感じ。

微妙に値上げしています。

接客が最高かというと別に感心するほどではありません。

バイトが中心ですから私を特別扱いしてくれるわけではありません。

ただ話しかければ普通にニコリとしながら応対してくれます。

豪華な内装ではありませんから雰囲気が行きたくなる理由ではありません。

クレンリネスもピカピカとはいきませんが汚いなあということには出会ったことがありません。

ですが、淡々とやるべきことができていて“嫌なことがない”のです。

商品は変わらぬ品質で40年独自のものがそこそこあります。

季節ごとにはキチンと商品を新たに導入し、時代の味を取り入れています。

販促にもたまに出くわします。

内装も7~8年に1回の割合でテコ入れし、雰囲気及び設備を充実させています。

つまり、いつも何かをやっているのです。

お客様、商売に関する真面目な姿勢がお客様に通じるのでしょう。

それに引き替え、最近依頼のあった店では、社長が人通りや客層、競合店、家賃、スタッフの能力を理由に何もせず閉店の危機、どうしてここまで何もしないでいたのだろうという状態になっていました。

困った社長の典型です。

こんな社長ですから社員の生活や将来より自分の生き残りだけを考え、挙句に

「この店はもう来月には辞めますから料理長には先生から25日で上がってもらうように言ってもらえますか。

先生が店、代わりにつづけてくれれば助かります、だめですか?

それか文句は言いませんからうまく締めて、次の私の道を作ってください。

よろしくお願いします。」

呆れて何も言えません。

自分は何もしない社長の最後はやっぱり何もしないのです。

ではまた。