石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その123

「今日はビールは一本だけですからね。

昨日は随分と飲んだようですから。」

顧問店の重大問題が解決して、その打ち上げがあった翌日の奥神様の一言です。

「ちっ、一本って逆にストレスが溜まるんだよね。

気分が良くなるには三本はいかないと。」

「バカじゃないの、昨日何時まで飲んだのよ。

帰ってきたの3時よ、3時。

どんだけ飲んだのよ。」

「いっぱい。

ほんの20杯ほど。」

「逝くときはポックリ逝ってよね。」

「チューブ付きでも生きるよ。

チューブ抜かないでね。」

「チューブ?

最初からつけないわ。」

「・・・。」

宴(うたげ)とは、酒食でもてなす宴会を言いますが、この言葉は「打ち上げ」が変化したものだといわれています。

ひと仕事終えた後などに酒を飲み、うまい料理を食べる集い。

まさに打ち上げはけじめであり次の行動への区切りなのです。

石田の飲みは仕方ないのです(笑)。

健康を害するまで飲むのは論外とはいえ、若年層の酒離れはどうも進んでいるようで、少子化とともに飲食店の大きな課題となっています。

対策はいまから手を付けないと・・・・。

 

『トップは進む道を想像し未来日記を描こう』

「先生、かなり落ち込んでいる鉄板焼きのお店を立て直していただきたい。」

商工会議所で懇意にしている指導員の方から依頼がありました。

早速、店舗で待ち合わせをし、打ち合わせを始めた時の社長はちょっと暗い感じでしたが、時間がたつとみるみる元気になっていきました。

何のために店舗があるのか、何を目指して経営を行うのか、今までそのために何を行ってきたのか、そして具体的にこれから何を行っていくのか、現状を整理し、低迷の原因を追究していくとやるべきことが見えてくるのです。

人は見えない暗闇が一番怖いもの。

進む道が見えれば、元々社長を志した人ですから、やる気が満ち溢れてくるものです。

「先生、気が付いていないことがたくさんありますね。

数字もつけていましたがそれをどう考え行動に移していくのかわかりませんでした。

これから確実にやっていきます。」

そう力強く語ってくれたのが5カ月前。

毎月1回の打ち合わせがこちらも楽しみになるような取り組みの姿勢を見せる社長に大いに期待して今月を迎えました。

結果、5カ月前には200万円の後半だった売上が、なんと420万円越えになっていました。

3年計画の2年目に達成するはずの売り上げがもう数字で出ているのです。

もちろん1年過ぎてみないとトータルで成功とはいえないわけですが、恐らくこのペースでいくでしょう。

うれしいことです。

やはり、トップのやる気と強い行動力が現場を変えるというのは間違いありません。

この社長の場合、素直で誠実な店長が傍にいたのもV字回復の原動力となりました。

良い社員を定着、育成するのも社長の姿勢次第であることも証明したようです。

見えなくなったら数字と現場の現状分析をしてみましょう。

ではまた。