石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その184
「国境なき石田って大変なことやっているのね。
なかなかできないことだわ。」
「おぉ、君もわかってくれるか。
ここ数年、年に3回ペースで海外の仕事があるな。
国境なき石田って感じだな。
ハハハ。」
「バカじゃないの。
TVで見た<国境なき医師団>のことよ。
あなたなんか仕事の合間に遊んだりしてるんでしょ、次元が違うわ。」
「あ、イシダじゃなくて、イシダンね。」
「何でも自分にいいように聞こえるのね。
あなたは、幸せだわ。」
「・・・。」
(結構たいへんなのよ、海外の人にいろいろ教えるのは・・・。)
まあ、私も少しは海外の仕事をするようになって感じるのはやはり言葉の問題です。
挨拶程度の会話はできても少し込み入ってくると、理解してもらうのに苦労します。
しかし、こういった言葉の問題は、最近は海外だけでなく、国内にいても同じような問題が控えているのをお判りでしょうか。
【人手不足は海外からの人材に頼らざるを得ない】
10月から消費税施行で皆さん揺れているようですが、もう一つ考えなくてはいけないのが同時に施行された最低賃金問題です。
東京は1031円になりましたが全国的にそれぞれ上がっています。
現場はもうとっくに1100円を超えた時給になっているのが現実ですが、それでもなかなか人手が集まらない状況です。
このままでは売り手市場が続き、賃金に歯止めがかかりません。
能力不足の方でもその賃金で雇用するしかありません。
能力不足の方ばかりだと更に人手が必要になります。
将来この状況が自然に改善されることはあり得ません。
単純労働のロボット化も数年かそれ以上かかるでしょう。
そうなると、必然的に海外の人手に頼るしかありません。
「もうウチは店長以外、全員ガイジンですよ。
言葉ができる人を対象に雇っていますが、中には話していてトンチンカンでわかっているのか、いないのか…。
こうなると最低限の教育しかできません」
と嘆いている社長がいましたが、そんなことが地方でも珍しくない時代がもうすぐ迫っているのです。
働くガイジンが増えるということは、お客様の中にもガイジンが増えてくるのは当然です。
地方の店でも、「ウチにも外国の人がお客様で来ることが多くなってきましたが、皆さん日本語ができる人が混ざっているので助かってます。
でも、これから先は困るでしょうね」。
なんていうことが出てきています。
お店もそろそろ対策を考えておかなくてはなりませんね。
対策と言っても今更語学を学ぶのも骨が折れることです。
私も仕事柄、言葉の対策が必要なため最近、新しい翻訳機を購入しました。
昔の物とは違い各段に性能が良くなっており、驚きました。
翻訳機の中には70か国語に対応しているものもあり、会話の反応もスピーディーです。
お客様対応のためだけでなく、外国人従業員との意思疎通にも威力を発揮するものと思われます。
今後も機能を強化していくでしょうから、タイミングを見て備えるのもよいでしょう。
たいへんですけど、経営とは尽きぬ問題を解決し続けることなのです。
頑張りましょう。
ではまた。