石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その185

「これ、売れてるらしいわよ、食べてみて」

「ほ~、見た目はカニだな」

<ほぼカニ>というカニカマを奥神様が食卓に登場させました。

見た目はズワイガニのむき身にそっくり、言われなければ、本物と思ってしまいます。

東南アジアなどでも、刺身盛などを出す店が増えていますが、カニカマがその中に混ざっているのは珍しくありません。

現地では人気が高いのですが、日本人には奇異に映りますね。

「カニと思って食べたらガッカリだけど、カニカマとして食べたらたいしたもんだな」

「そう、あなたはこれでいいかもね。

ハハハハハ」

(あなたはって、自分はちがうんかい・・・)。

まあ、カニカマはカニカマとして高い評価を得ており、国内外にその存在感を示していますね。

改良に改良を重ねた研究の成果が<カニカマ>という本物の一品となっているのですね。

ところが、飲食店の中には偽物を勘違い戦術で・・・。

 

【ハッタリや偽物は通用しない、本物になろう】

飲食店の中にはIT戦術を重要視してホームページ・宣伝サイトや投稿サイト、SNSに力を入れているお店が多くあります。

それ自体は結構なことですが、そこに集客のためのハッタリや嘘を平気で載せる場合は問題です。

ウチの娘が憤慨しながら、部屋に入ってきました。

「パパ、ひどい目にあったわ。友達の結婚がきまったお祝いで食事をご馳走したの。

知らない街だったから、グルメサイトやホームページも見て良さそうなお店だったから予約したのに、嘘ばっかりのひどい店だったのよ。」

延々と続いた娘の話を文章にするとエライことになるのでまとめてみると、

①完全個室とあったが、カーテンだけの仕切りで、厨房の隣だったのでうるさかった。

②15分前に着いたので気兼ねして「いいですか?」と聞いたら「大丈夫です」と案内してくれたのはよかったが、テーブルには、メインのしゃぶしゃぶ以外、前菜やサラダ、刺身までもがすでにむき出しで用意されていた。どれだけ前から?

③ 職人のこだわりを強調していたのに学生みたいな人しかいなかった。

④サラダの中から虫の幼虫が出てきた。野菜を洗っていないようだ。

変えてもらったが新しいものが数十秒で出てきたので、同じものだろうと食べなかった。

⑤ 厨房とホールの人がずっとくだらないおしゃべりをしていた。

⑥ ホールスタッフが厨房に向かって「飲み放題の時間を間違えて2時間って言っちゃった、ここって3時間ですよね」「お客さんが何も言わなきゃいいよ」というやり取りがそのまま聞こえてきた。

ホームページには3時間とある。

⑦ 鍋としゃぶしゃぶの肉だけが提供された。

しばらく待ってもそのままなので、どうやって食べるんですかと聞いたら「聞いてきます」との返事。

その後、ゴマダレとポン酢がきた。

⑧しゃぶしゃぶの肉を投げるように置かれ、驚いた。

⑨ サイトで見た専門店の趣はいったい何だろうと、怒りが込み上げてきた。

まあ、他にもいろいろありましたがキリがありません。

つまり、サイト上は集客のために、他に店をコピーして素晴らしい店に仕上げているのです。

真似をするのは悪いことではありません。

いけないのは表面だけ真似をして本物に近づく努力、本物を超える研究を怠ることです。

お客様を馬鹿にしてはいけません。偽物は見抜かれます。

娘が最後に、「なんだか、学園祭の模擬店みたいだった」と言ってました。

まさに偽物だったわけです。

偽物にお金は二度と払わないでしょう。

皆さまは日々研鑽をつづけ本物を見せ続けてください。

大変ですけど。