石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その189

「あなた、手洗った?

顔も洗った方がいいのよ」

「わかった、わかった、わかってるよ」

「あちこち動いてるのはあなただけなんですから、帰ってきたらしっかりやってね」

「言われなくてもわかってますって」

見えないウイルスのために、我が家も相変わらずの大騒ぎです。

私一人が帰るだけで、奥神様は神経ピリピリで、私もいつの間にか手洗い、アルコール消毒、マスクが習慣となりました。

電車の中のゴホンいう咳の音にも敏感になってしまいました。

世間がつまらないデマに乗ってトイレットペーパーやティッシュペーパーを買いあさるのも理解できないわけではありません。

そんな中、飲食店にも当然ながら影響が出始めています。

見えない敵に我々はどう向き合っていけばよいのでしょう。

早く収束することを願い日々過ごしています。

 

【コロナウイルスに対する対策項目】

前回、今回の新型肺炎ウイルスの問題は大きな悪要因になるかもしれないと書きましたが、予感はそのとおりの様相を呈してきました。

顧問店の社長たちからは次々に悪い知らせが入ってきています。

「3月の出だしは前年比40%落ちです」

「次から次に予約キャンセルの電話が入っています」

売上に関しては、ほぼ皆さん同じように影響が出ています。

なす術がないのが現状です。

政府は躍起になってウイルスの封じ込めの動きを見せていますが、収束のめどはたっていません。

不特定多数のお客様が来店される飲食店は多くの危険を抱えています。

お客様が、心理的な〈恐れ〉によって足を向けないということにつながるのはやむを得ないでしょう。

おそらく2~3ヶ月は覚悟しなければなりません。

私も対策に頭と心を痛めています。

先日、渋い顔で、ある顧問店に行った時のことです

「これ、プレゼントです。

マスクとアルコール消毒剤です」

「え、何言ってるんですか、この店が困るでしょう。

貰えませんよ」

「まったく大丈夫です。

毎年のインフルエンザのこともあり、充分な量を備蓄してありますから、親しいご近所さんや常連さんにも差し上げているんです。

これは先生用に用意していたものですから気にせずお持ちください。

重いですけどね。」

私は感動と感謝で胸がいっぱいになりました。

繁盛店のなかでも、このように非常時とも言える状況において、対応ができる体制が整っている店舗もめずらしいのではないでしょうか。

有事の時の準備に余念がないということです。

ただし、売上・収益・客数の減少に対する対策・対処は備蓄で解決はしませんから考えるしかありません。

ここではその考える項目をあげておきます。

伺った時には一緒に知恵を絞りましょう。

売上の新たな試み

① デリバリー・テイクアウト・店頭販売の強化

・今のメニューの範囲で絞り込んで商品を作る(弁当・オードブル・セット等)

・メニュー作成(チラシ・パンフレット)

・販売ルールを決める(デリバリー範囲・注文方法・予約方法、引き渡し方法)

・店内や店頭やネットで告知

・出前館やウーバーイーツなどの検討

② 営業時間とペルソナ設定

・営業時間の延長(ランチ営業(居酒屋等)や弁当・夜の定食等)

・営業日数を増やす

・大型店はお1人様対応(単身者用の一人での食事メニュー)

・年配者の夫婦など2人対応

・居酒屋は子供連れ家族対応(小さな子もOK等)

③ アラカルトの強化

・キラーコンテンツの明確化(器の変化・盛り付けの変化・見栄え)

・メニューのリニューアル・期間限定メニュー

・この時期ならではのお客様応援メニュー(ウイルス撃退・免疫強化)

④ 従業員対策

・スタッフ教育・スタッフとのコミュニケーション

・スタッフへの有給休暇計画(休ませる)

これらの対策の他、今を乗り切るための融資や助成金の検討もしておいたほうが良いでしょう。

万が一の場合は是非そのように行動していただきたいと思います。

ではまた。