石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その190

「コロナ、コロナ、マスクマスク、アベノマスク、自粛、自粛で、毎日、疲れるな」

「そうよね、世界中が大変なことになってきたわね。

志村けんさんも亡くなるなんてビックリだし、残念だわ。

いつ誰が感染しても不思議ではない状態なのよね。

あなたは外に出かける機会が多いから、ホントに気をつけてね。」

「ありがとう。気をつけるよ。」

久しぶりに普通の会話をする我が家です。

事は深刻なので茶化すようなこともしません。

我々の業界も楽天的には到底なれない状況が現れています。

暗い声ばかりが聞こえてきますが皆様のところではどうでしょうか。

そんななか、前回は対症療法を書きましたが、そういったことを読む気にならない方もいらっしゃるでしょう。

こんな時ホッとする話はないものかと探してみたら・・・。

 

【やはり大切なことはお客様との絆】

日本のことではありませんが、なんだかうれしくなるような話を見つけました。

(米NBCニュース 3月17日付電子版より)

米国でも新型コロナウイルスの感染拡大は大変な状況にありますね。

感染防止のために多くの飲食店が営業休止を余儀なくされ、従業員は収入が絶たれています。

そんな中、あるレストランの常連客が粋な計らいを見せたというのです。

オハイオ州コロンバスにあるレストラン「コーチェス・バー&グリル」の常連客の話。

日曜日だった3月15日、同州のマイク・デワイン知事は、新型コロナ感染拡大防止のために、同日午後9時をもって、テークアウトとデリバリーを除き、全飲食店の営業を無期限で禁止するとの命令を発表しました。

常連客は発表の約1時間後、店で食事をした後、勘定書を置いていったそうです。

飲食に使った額は29.75ドル(約3200円)でしたが、チップの欄に記された数字はなんと2500ドル(約27万円)!

5人の従業員の名前を列記し「平等に分けてください」と記されていたそうです。

休業期間中の従業員の生活を思いやって行った好意のようです。

同店のオーナー、ベニー・レオナードさんは、この勘定書の写真をツイッターに投稿し、事情を説明したところ、急拡散。

ベニーさんが、その常連客に「身元をメディアに話していいか」と問い合わせたところ、匿名を希望されて断ったそうです。

オーナーは「中年の男性で、毎週水曜の夜にやってくる常連」とだけ明らかにしました。

常連さんからチップをもらった5人ですが、彼らもまた泣かせる行動に出ました。

ベニーさんと相談し、このチップを全従業員13人で平等に分けることにしたそうです。

25年前から「コーチェス・バー&グリル」を経営しているベニーさんは、「この日曜日をいつまでも覚えているだろう」と語り、「(営業休止命令が出て)ひどい1日でしたが、すべてが変わりました。

開業以来、最もエキサイティングな1日でした。

いろいろ経験したけど、あんなことは初めてでした」と続けました。

店の歴史とはお客様との歴史なんですね。

こんな話はめったにないとは思いますが、日本でも今各地の顧問店社長と話をしていると「心配をしてくださって、いつもより来店回数が多く来てくれるお客様がいらっしゃいます」とか「お宅も大変でしょう、頑張ってね」などと声をかけてくださるお客様がたくさんいると聞いて涙が出そうになる私です。

普段からお客様を大切にしていることが感じられる時かもしれませんね。

そんなお客様のためにも何とか踏ん張りましょう。
 
早く収束してほしい。

今を乗り切るための融資や助成金を調べるのもお忘れなく。

必要な場合はすぐ動きましょう。

ではまた。