石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その193

「レジ袋が有料化だな。

こりゃあ、ウチもマイバック用意しないと。

節約しなきゃな。」

「私に言ってるの?

前から持ってるわよ。

でも、スーパーにはマイバック持っていかないで、しばらくはレジ袋を買うわよ。

環境に配慮することは必要だけど、コロナが怖い今は、ウイルスの温床になる可能性があるから、衛生的に気をつけないと。」

「毎回、お金払って、もったいない。」

「はあ?

あのね、スーパーは月に10回ほどよ。

かかったって50円よ。

ホントあなたって、変な所ケチでしみったれてるわね。

節約で言うなら、お酒減らせば、何十倍何百倍も節約だわ。」

「・・・。

そのとおりだね。

コロナが収束して早くマイバックが使えるようになるといいね。」

7月に入り小売におけるレジ袋は有料化となりました。

従来からの我々の業界状況であれば、それほど考えることはなかったかもしれませんが・・・。

 

【withコロナの今、レジ袋有料化に対しても対処を】

まだまだ、収束の兆しもなく、かえって第2派の恐れもありという情報が飛び交っている新型コロナ感染症。

そんななか、業態を変化させているお店も増えていますね。

ソーシャルディスタンスを保つためには、席数を減らし営業効率を悪くするしかありません。

お客様の居心地の良さの中に「安全性」が欠かせない状態が現在だからです。

ところが、固定費である家賃は全く変わらず迫ってきます。

もちろん他の固定費も同様です。

だとすれば、店外販売に力を入れるしかありません。

そこで、デリバリー・テイクアウトの発想になるというのは当然のことです。

顧問店の皆さんの中にはその努力が実って、大きな成果をあげている方もいらっしゃいます。

そんななか、『レジ袋の有料化』が始まったのです。

大手チェーンの「吉野家」はいち早く、無料提供を打ち出しました。

何故無料にできるのでしょうか。

「プラスチック製買物袋を扱う小売業を営む全ての事業者が対象」となるこの制度を知って、対処しなくてはなりません。

まとめると以下のようになります。

1)飲食店のテイクアウトに使うプラスチック製買物袋は7月1日から有料化

2)価格設定は事業者が任意で決められるが一枚あたり1円以上の設定が必要となる

3)販売する袋は中身が食品であっても、消費税率は標準税率(10%)が適用される

4)持ち手がついているプラスチック製の袋で、商品を入れる用途の物が対象となる

(景品やサンプルを入れる場合は対象外)

5)袋ごとに価格をつけて明示し、販売しなければならない(商品売価内に含めてはダメ)

6)消費者が受け取りを拒否できない場合(袋が商品の一部となっているなど)は有料化対象外

7)環境保全に寄与する性能が認められている袋や紙袋などは有料化の対象外

前述の「吉野家」が無料で提供しているのは、7に該当する以下の内容の物を使用しているからです。

コストは少々かかりますが、環境やお客様サービスを考えるならば、検討の余地ありですね。

★無料で提供できる、環境保全に寄与する性能が認められている例外のもの

「プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの」

「海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの」

「バイオマス素材の配合率が25%以上のもの」

飲食業界はコロナ対応の他、禁煙化に加え、今度はレジ袋有料化と、変化への柔軟な対応力を求められ続けています。

でも何とか、この苦難を生き抜いていかなければなりませんね。

ではまた。