石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その195

「コロナ騒ぎで、家でおとなしくしているから太るなあ。」

「体重計に毎日乗りなさいよ。

ちゃんと計っているの?」

「計ってるよ、だから太ったって言ってるでしょ。」

「あのねえ、計ってるだけじゃなくて、気にしなきゃダメなのよ。

普通の人は増減を見て、自然に気にして、食べるの控えたり、運動したりするのよ。

あなたは計って満足してるんだもの、それじゃ何にもならないわ。

気にして頂戴。

そして下げるためにどうするか、考えて頂戴。」

「食べないか、運動するか、どっちかしかないじゃない。

可哀想すぎる。」

「へっ?間食を減らすとか、糖質を減らすとかいろいろあるでしょ。

ダメねぇ。」

「コロナ怖い怖い病キャンペーン」が私を蝕み、リモートが多くなった結果、比例して体重が・・・。

 

【今だから普段できないことに力を入れること】

新型コロナ感染は相変わらず収束の兆しもなく、東京では時短要請の延長が発表されました。

感染者数が大都市部で依然、高止まりする中、感染防止対策に力を入れ、ソーシャルディスタンスを保つために席数を減らし、営業効率を悪くしてまで「安全性」への取り組みを行い、「安心」のイメージを付加価値に変えてアピールする店が増えてきています。
 
ですが、売上は戻り切っていない店がほとんどで、前年比70%までにとどまっている店が普通でしょう。

売上が悪いとそのことで心が暗くなってしまい、何も手がつかない、大事なことを先延ばしにしてしまうという方もいらっしゃると思います。

「何をやってもダメでしょう、こんな時は」という方にこう申し上げています。

「今まで沢山の危機があったでしょう。

仕事も生活も、それを乗り越えてきたのはあなたですよ。

あなたには乗り越える力があるはずです。

何やってもダメだというほど何かやったのですか?」

そして、コロナの対症療法と未来日記(事業計画)という、2方向のタスク(仕事・作業・職務)に取り組んでもらい、今だからこそできることは何かを考えてもらっています。

その中には、「商品分析」や「キラーコンテンツを育てる」等、データ分析が必要なものもあるのですが、「ABC分析を見せてください」とお願いすると、「はい、レジがしっかりデータを取ってますから」と言って、レジから打ち出した長いレシートを差し出すだけの方がなんと多いことか。

レジがデータ取っていると満足して、せっかく、分析ツールが充実しているのに活用していないのです。

売上順にランキングをまとめる、出数のランキングをまとめる、もっと言えば、粗利順にランキングする。

そこからメニューの再構成を考える。

そしてABC分析から、どの商品を値上げして上手く稼ぎにつなげるか、また、どの商品を使ってお客様を吸引するか、販売促進をどのように行うか。

ここではABC分析の方法は語りませんが、利用方法はいくつもあるのです。

WITHコロナの新様式が定着しようが、収束して日常に戻ろうが、やるべき経営者のタスクは変わりません。

最新のレジがあることは素晴らしいけれど、データ分析ができるツールがあるのに、それに満足して活用しなければ何の意味もありません。

私の体重バカ測定と変わらないわけです。

お店の健康を考えたら、これではいけませんよね。

ぜひ、時間がある今、普段、面倒くさくてできていない作業に手をつけてみてください。

新しい発見があるかもしれません。

新しい未来日記が書けるかもしれません。

それこそが「ピンチをチャンスに」できるということです。

ピンチの時、何も動かない人間にチャンスは来ないと思います。

いやはや、大変な飲食業界ですが負けないでくださいね。

ではまた。