石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その200

3月から携帯代が安くなるぞ。」

「あら、私は、たいして使ってないから、変わらないわ。」

「おいらは、スマホでデータのやり取りや、SNSの更新とか、最新情報の検索とかやるからありがたいんだよ。

なんせ、ほら、スーパービジネスマンだからよ。

ガハハハッ。」

「まあ、知らなかったわ。

変な動画見て笑ってるオッサンかと思ってた。」

「・・・。」

身近な人のことは意外とわからないものです。

それはともかく飲食業界の皆様は、スマホを含めたIT関連の導入をどこまで進めていらっしゃるでしょうか。

『ウチには関係ない』『私には必要ない』と目をつぶっていませんか。

飲食店経営者はどう考えるべきでしょうか。

 

【今はアフターコロナのあり方を模索するときでもある】

「緊急事態宣言」の延長が決定しました。

〈飲食店〉に関する処遇は変わりません。

解除は随時行っていくということですが、まだまだ苦境が続くのは間違いありません。

さすがに夜の街は寂しくなっていて夜営業は見込み薄ですね。

飲食店向けの予約管理サービスを手掛ける「トレタ」が1都3県の約3000店舗を対象に調査したところ、2月4日までの1週間に飲食店を訪れた人の数は前の年の同じ時期に比べて73.6%減少したそうです。

覚悟していたとはいえ、酷い数値です。

デリバリーやテイクアウトは順調に売上を伸ばしています。

客席がなく、キッチンのみの〈ゴーストレストラン〉も急増しています。

また、デリバリーサービスも進化していて、決済もスマホでOK、注文後の配達状況もリアルタイムに確認でき、非接触の置き配も可能なのです。

そこには旧来の〈出前〉というイメージとは確実に変化している景色が見て取れます。

コロナ禍のお客様の飲食店に対する望みをITがかなえているわけです。

注文は使いなれた自分のスマホで、自分のタイミングで、非接触で届けてくれる利便性があり、リアルタイムで状況がわかるという、少なくとも「まだですか?」「今出ました」という従来のありがちな出前とは様変わりしているのです。

「利用者は若者層ですよね」という経営者も多いですが、その若い人たちが10年もたてば中心になり、それが普通になるのは明白です。

デリバリーだけではなく、テイクアウトもアプリで注文、受け渡しはロッカーで非接触という店も現れてきました。

イートインに関しても、タブレット端末での注文やセルフの会計はコロナ前から広がっていましたが、料理の運搬にロボットが登場する店も現れています。

それらが好評を得ているのは事実ですね。

ですが、なんでもかんでもIT化するのが正しいわけではありません。

店によっては「人の絆・技術が魅力」というコンセプト重視がお客様に支持を集めている店があるのも事実です。

要は時代の流れ、方向性に背を向けずに、少しはIT(インフォメーションテクノロジー)に興味を持ち、耳を傾け、不得手ならば自分が手を出さずともわかる人間を育てる、ということをしていただきたいのです。

私自身もコロナ拡大後、「飲食業のIT化」が遅れていることを実感しました。

支援策の申請一つをとっても、パソコンが使えなくて、断念する経営者のいかに多かったことか。

アフターコロナにおいては、IT環境の有無によってさまざまな格差が生じてくるでしょう。

ITだけがアフターコロナの生き方ではないですが、急速に進むことは確実です。

私も「スマホ、持った方がいいですよ、人生変わりますよ」と言われて使うようになった人間ですが、人生が変わったかどうかは別として、確実にライフスタイルは変化したと思います。

食は最先端業務でもありますから是非アフターコロナの模索にITは加えていただきたいと思います。

大変な飲食業界ですが負けないでくださいね。

ではまた。