石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その206

 

「駅前のお店がまた変わってたわよ。

今度はから揚げの居酒屋さんだわ」

「焼き鳥だった店がウナギの店に変わったのに、今度はから揚げかぁ」

「うどん居酒屋もラーメンに変わってた。

閉まってる店も2件あるけど、もうやらないのかしら」

「あぁ、ホントに飲食店は地獄だな」

「あなたは変わらなくて大丈夫なの?」

「・・・」

〈緊急事態宣言発令〉〈まん延防止措置発令〉が全国に広がり始めました。

東京の感染者は5,000人を超え、2週間後の予想は1万人超えです。

TVでは連日オリンピックの日本人の活躍が伝えられ、感動のドラマを演出するメディアは、はしゃぎまわっています。

オリンピック・インバウンドに大きな期待をしたにもかかわらず,商売をさせてもらえない飲食店の気持ちは置き去りとは、何とも矛盾を感じますね。

更なる忍耐が必要です

 

【減収減益の今考えること】

 

2020年度〈閉店5230店(265社)〉〈10年ぶり減収〉などの文字が新聞などで見出しになっています。

コロナ禍、当然と言えば当然の数字でしょう。

デリバリーやファストフード・テイクアウトが好調とはいえ、イートイン業態、特にアルコールが中心の業態は散々な日々を送っているからです。

また、アルコールとはそれほど関係がない店でも、地方の店では、消費者によるコロナ禍に対する恐怖心が、都心部の慣れた消費者に比べ、格段に警戒心が強いという影響を受け、客足を弱めた傾向にあり、それは今も変わっていません。

地方のレストランから電話が入りました。

「ついに私の街にも宣言が出ました。

お盆の時期の予約のキャンセルの電話が、次々入っています。

心が折れそうです。

役所のHPを見ると、支援の協力金などはまだ何も決まっていないようなんです。

我々はどうしたらいいでしょう。

今度のミーティングは今後の店のあり方を相談させてください。」

店は安心安全を見える化する努力を続けています。

マスク・アルコール消毒液の常備、換気を整える設備・検温機やCO2検知器、そして空気清浄機の導入、更にキャッシュレス化の導入など、これらは飲食店にとって、安心安全の必須条件とも言われるものですから、無視するわけにはいきません。

感染対策に要する費用は確実に上がっています。

当然減益の原因となっているわけです。

ただでさえ客足が落ちているところに、宣言では更に消費者の動きを止めることになるため、売上は下降して、経費は上がり、支援策も期待できそうにありません。

コロナ禍の収束は、ワクチン接種の現状のペースから推測すると、9月末から10月中旬までには感染者の数が減少に向くと思われます。消費者の行動は日常に向かうはずです。

ただし、完全にコロナ以前に戻るかと言えばそうではなさそうです。

コロナ感染は0になることはなく、低い数字で上下を繰り返すことになるでしょう。

飲食店の利用は、消極的な人が一定層残るでしょうし、デリバリーやテイクアウトの攻勢は更に強さを増しそうです。

経営環境は決して良くなるとは言えないのです。

そこで、考えなくてはならないのは、業態の最低限の変更や場合によっては大幅な移行作業です。

営業時間の変更・営業日の変更・テイクアウトの充実・デリバリー業者の活用や店舗レイアウトの変更、厨房内オペレーションの変更・昼夜2毛作業態の開発など、前に進めることと、発展型を模索することでしょう。

いろいろと考えて進んでいきましょう。

辛抱で励んでいただきたいと思います。

負けないでくださいね。

ではまた。