石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その210

コロナ禍が続くこと2年近く、自宅で食事をすることが多くなった今日この頃、最近、体重が増えてしまった私に、奥神様が口うるさくなってきました。

「なんなの、そのお腹、何とかしなさいよ。

太りすぎって、健診でも言われたんでしょ。

まるで大黒様だわ。」

「そうか、神様になってんだったら、いいじゃないか。」

「バカなの!?姿かたちを、言ってるのよ。

食事制限ね、死ぬわよ。」

「いやぁ、料理の上手な君のおかげで食いすぎるからだね。

僕のせいじゃないな。」

「ホント嫌だ、この男・・・はぁ。」

もちろん健康のため、肥満は敵だというのは私も充分わかっていますので、気をつけなければと反省をしておりますが、コロナ禍、私だけでなくリモートワーク、巣籠生活様式の増加などで、肥満だけでなく、身体の変化に、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

もう一度生活のあり方を考えなくてはいけませんね。

ただ、変化と言えば、メディアの飲食店の取り上げ方もチョット変化しているようで・・・。

【単なる真似は、けがの元】

緊急事態宣言や時短要請があって、飲食店も通常の営業ができない時が続きました。

まともに営業していれば、商品開発も販売促進活動も計画的にできるのですが、対症療法で凌いでいるうちは、なかなかヒットやホームランは出現しません。

メディアも材料探しに苦労するのでしょう。

インパクトのある簡単な法則にハマっていますね。

それは〈ビッグボリュームの法則〉〈凄辛法則〉に普段から特化している店を取り上げることです。

サプライズ感はありますし、絵になるのも間違いありません。

確かに視聴率も稼げるのでしょう。

「隣の店が先週〈○○のTV番組〉に取り上げられたんですよ。

すごいボリュームであんなの誰が食べるんだろうと思ってたんだけど、1週間たっても、まだお客さんが来てるみたいなんですよ。

ウチもボリューム考えた方がいいでしょうか?」

私の答えは間髪おかず、「おやめなさい。

単なるマネは怪我しますよ」です。

ご覧になった方も多いと思いますが、ほとんどの商品がありえないほどのボリュームで、お客さんが驚く映像が面白おかしく映し出され、経営者の「お客さんが喜んでくれるから、それを見るのがうれしいんですよ」というコメントが流れ、スタジオのタレントが「えらいなあ」「優しいなあ」とかぶせます。

確かに凄いですが、飲食店がホントはそれぐらいできるのではないかと、勘違いするお客様が、居たら困ったものです。

それらの店のほとんどは、自宅店舗であったり、家賃がかなり安い物件であり、ましてや個人の家族で運営している店ばかりで、店主は高齢者が多く、年金をもらって生活はそれで賄える方がほとんどです。

経営ではありません。

心意気は認めますし、思いに嘘がないのも事実でしょう。

生きがいにもなっている彼らに異議を唱える気は全くありません。

問題は、ことさらエライ、優しい、素晴らしいと取り上げることだと思うのです。

私の知っているお店は、取り上げられたことで、普段と違うお客様が押し寄せ、こなすことが辛くなって、営業をやめてしまったり、ホントの常連さんをお断りする羽目になった店があります。

同様の店ばかり取り上げるようだと、同業者は比較されることを迷惑だ、邪魔と思い、当事者は運営上困るハメになるという事態が起きているのです。

メディアが飲食店を取り上げてくれるのはありがたいのですが、もっと飲食店の本質的なところを取材してほしいものです。

まあ、これもコロナの弊害かもしれませんね。

早く収束してほしいものです。

負けないでくださいね。

ではまた。