石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その214
人生には「まさかの坂」がある、と言いますが、こんな時代に居合わせるとは、チョット坂が急で多すぎます。
平和な街が次々と破壊され、何の罪もない人が殺戮されていくのをテレビのニュースで見させられると言葉を失います。
「コロナは収まらず、ロシアがデフォルト(債務不履行)を起こして日本経済は低迷、ロシアが北海道に攻めてきて、北朝鮮がミサイル発射して、そこに地震でも起きたら日本は沈没だな。」
「チョット、やめてよ。
ただでさえ毎日酷い映像見て暗くなってるのに、あなたの妄想を聞いていたら余計に落ち込むわ。
せっかく桜が咲いてるのにホント嫌だわ。」
「だって、コロナはまた増えてるし、ロシアの外交官は追放だし、食料自給率は低いし、徴兵制はないし、自衛隊は打たれないと打てないし、地震は多いし・・・」
「お願いだから、やめて。」
まあ、取り越し苦労をしても仕方ありませんが、明るくいられるほど事態は良くありませんよね。
これからどんな影響が出るのやら・・・。
【何があっても経営は現状の最善をつくす】
感染力が強いとされるオミクロン株の別系統「BA.2」に置き換わりつつあることで、感染再拡大が懸念されていますね。
顧問店からもスタッフや家族が感染したという知らせがいくつも届いています。
幸い重い症状の方はいらっしゃらないようなのでほっとしていますが、今しばらくWITHコロナを覚悟しなくてはいけないようです。
そんな中、ロシアによるウクライナへの侵攻が始まり、欧米諸国や日本は次々と経済制裁を打ち出しています。
飲食業界もロシアでの営業を続々と閉鎖して撤退していますね。
マクドナルドは800店舗、日本の丸亀製麺も8店舗ありましたが、閉鎖しました。
ところが現地企業は無断で営業を継続しているところもあります。
丸亀製麵も〈マル〉という名前に変えてサービスやメニューは同一で営業しています。
ノウハウや設備はそのまま残っているわけですから、本部が営業ストップを指示しても、材料さえあれば無視してできるわけです。
ましてやロシア政府は撤退企業の財産は国が管理すると言い出していますから、泥沼です。
国と国の信頼関係が崩れてしまえば、契約など無意味になってしまうのです。
このような状況が将来よい結果を残すはずがありません。
ロシアへの投資はリスクが高いと判断すればもう海外企業は行かないでしょう。
制裁は続くでしょうから、元々農業と資源供給以外、産業がほとんどないにも等しいロシアは経済破綻が見えてきます。
西側の中心であるアメリカは自給自足が可能な国ですから制裁をやめることはないでしょう。
資源がなく、自給率が低い日本が一番危ないのです。
この国で商売している我々はどう考えたらよいのでしょう。
今から最悪のことを考えた経営の手法を研究しておかなくてはなりません。
調理場の効率を最高に引き上げる方法と、最低限の人数で店を動かせるシステムの構築が必要です。
新しく現れた冷凍技術は、商品ストックが可能です。
驚きの技術です。
急速冷凍機を使うことで、注文から提供までの簡略化、仕込み時間の短縮、品切れの防止、食品ロスの削減など、あらゆることが可能になります。
ホールシステムもロボットの進化が止まりません。
大手チェーンは続々と導入し始めました。
〈ハイディ日高〉もその一例です。
配膳ロボットを50店舗に配置しましたが、55センチの通路幅も通過できるコンパクトさは魅力です。
モニターは猫の豊かな表情で、声も音色がかわいらしく従業員のモチベーションにも良い影響を与えているようです。
操作もわかりやすく、当初は下膳の運搬を中心に考えていたようですが、配膳にも大きな効果を上げているようです。
肝心のお客様の評判も上々のようです。
決して私はロボット販売の回し者ではありません(笑)、いいものはいいというしかありません。
是非見学に足を運んではいかがでしょうか。
今のうちから最悪を考えておくことは、今の日本の状況から無駄にはならないと思うのです。
今における最善を予測して研究すること、そして来るべき最悪の時の最善はそれを実行することです。
負けないでくださいね。
ではまた。