石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その217

「あぁ、忙しいなぁ。

スケジュール調整がたいへんだ、まいったなぁ。」

「何言ってるの、ありがたいことじゃない。」

「そんなこと言ったって、もう入れるところがないよ。

もう一人オイラがいればいいけど、それは無理だしなあ。」

「リモートにすれば、移動時間がなくなるでしょう。」

「そんなものじゃないの。

相手の方の都合もあるんだから、丁寧に向き合わなくちゃ。」

「あら、あなたって真面目だったのね。」

「・・・。」

どんな仕事も波があるものですね。

生き残るのは大変なことです。

飲食業界はこのところ落ち着いてきてはいましたが、大波の後の引き潮はまだまだありそうです。

これからの我々は・・・。

【なぜ生き残ったかの検証とそこからの生き方を考える】

7月を迎え、新型コロナ感染の流行は再流行の懸念はあるものの、かなり収まってきて、人々の心の中には安心感が広まり始めているようです。

世界各国を見ても、平常を取り戻しているところが多く、他の国と比べると、日本は慎重な国だと思われている様子ですね。

〈全国旅行支援〉も始まるようで、少なからず飲食店も期待をもって施策を見守っています。

ここまで生き残ってきた飲食店、そろそろリベンジの時期が来てもいいですね。

「だいたい自力で生きられず、政府の支援ばかりを当てにしているような経営では商売とは言えません。

営業をさせてもらえない代償としていただくのは納得できますが、自分で何とかしなくてはという努力はやらねばいけないことですよね。」

顧問先でこのように語る経営者が何人もいますが、本当に嬉しくなるのと尊敬もします。

そうなんです、生き残ってきた飲食店にもタイプが分かれますね。

政府の支援策を漫然と受け入れるだけで、何とかここまで来ましたというタイプと、生き残り策を試行錯誤の繰り返しで苦労してここまで来たタイプです。

今後、政府の飲食店支援はほぼなくなっていくでしょう。

その中で新たな戦いに有利なのは、後者であることは言うまでもありません。

蓄積された努力・経験の数はこれからの施策に必ず生きるからです。

生き残った彼らはどのようにここまでを戦ってきたのかまとめてみました。

その1 顧客との信頼関係を重視 

常連との絆を深める手段の構築(SNS・ダイレクトメール等)

その2 新しい売り場の探求

(売上の多様化→テイクアウト・デリバリー・ゴーストレストラン・店内小売り)

その3 新たなビジネスチャンスにトライ

(商品開発→EC販売・自動販売機)

これから新規の店が姿を現すという景色が加速してきます。

今年の飲食業の会社設立は過去3年で最高の数字になっていますが、店舗は出していない会社が多くあります。

おそらく機会を狙っているのでしょう。

今後、熾烈な戦いが待っているかもしれませんが、上記のような対策を進めてきた会社は、おそらく慌てることなく対処していくことでしょう。

まだ、手を付けていない皆さんがいたら、遅くはありません、ぜひ動き始めていただきたいと思っています。

頑張りましょう。

負けないでくださいね。

ではまた。