販売促進 第4回 『販促の落とし穴』

 前回は販売促進の“手段”であるチラシについて述べましたが、その他にも手段手法はたくさんありますので、随時ご紹介していきますが、その前に販促の“落とし穴”について一寸触れておきたいと思います。販促により逆効果を生み出してしまうこともあるからです。

皆さん、ご存知のように店にとって最も大事な売上は次の公式で成り立っています。

売上=(固定客数×来客頻度+新規客数・フリ客数)×客単価

 つまり、固定客が減少したり、来客頻度が減ることや新規やフリのお客様をつかめない事が売上を下げている原因なわけです。
 そこで多くの方は“ハンソク”となるのですが、ちょっと待ってください。売上が減った原因は公式で解けたかもしれませんが、固定客の減ったことや、来店頻度が減った原因はつきとめたでしょうか。マンネリ化したメニューか、商品が感覚的に古くなっているのか、味が安定していないのか、もしかすると接客サービスが心ないものになっているのか、店のクリンリネスは大丈夫か。これらの原因がそのままの状態では、売上の底上げは望めません。“ハンソク”を間違いなく行えば、お客様は一度は来店してくださいます。固定客も新規のお客様も興味をひかれて足を運んでくださるわけですが、前述したような売上をマイナスした原因が残っていたのでは、せっかく来店されたお客様に自店の悪い部分を見せつけているようなものです。
かくして「販促やったって、ウチに来る客はその時だけなんだ。販促期間が終わるとサーと引いちゃって、また元に戻っちゃう。やった費用だけマイナスでバカバカしくなっちゃう」という言葉になるのです。
確かに対費用効果を考えたら、その時しか数値を上げない販促はやらない方がいいかも知れません。でも、その時しか数字が上がらない原因はその店(社長・店長)にあることも決して少なくないのです。販促を行なう前に内部充実(商品・サービス・店づくり)にもう一度留意してください。

 ただし、第1回でお話した「おすすめ品」等の店内販促は、内部充実の中に含まれるものですから、これを怠っていては話になりません。
 そこでちょっと「当りのヒント」です。
皆さんは、TVCMに注意していますか?私は講演でもこの事をよく話すのですが、TVCMは季節毎によく変わります。特にビール会社のCMはいつも「つまみ付」です。春は筍、夏はおぼろ豆腐、牛タンの時もあれば、ゆでタコの時もありました。こんなCMを見かけたら、すぐ店は「おすすめメニュー」に取り入れるのです。その日からあなたのお店のメニューをTVCMが繰り返し流すことになるのです。間違いなくヒットメニューの一丁あがりです。だまされたと思ってやってみてください。