KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.21

桜も儚く散り、新緑の季節と共に新しいスタートを切る時期。

皆さんも新しいスタッフが仲間入りしたり、または新しい場所での環境で良いスタートは切れていますか?

春となり、様々なイベントが催されるこの時期、飲食店でもグルメフェアが盛んです。

しかし、せっかくの客数増加につながる販売促進も、間違ったイベントフェアにより、店格の低下を招いてしまっているケースも多々見受けられます。

今回は、安かろう悪かろうの事例を一つお話します。

“料理全品半額フェア”は、かなりのインパクト、魅力がありますね。

多くのお客様にとって、この機会を利用しての来店動機が生まれると思います。

もちろんお客様の増加を見込んだ販売促進なのですが、会社側(管理職)の意図が、指導教育不足により、現場スタッフに伝わっていないが為、ただただ忙しいばかりに現場都合の手抜きが目立ちます。

半額だからとの思い違いなのか、本来のボリュームやポーションではない料理を提供したり、温かい物は温かく提供する、冷たい物を冷すといった基本的な事を手抜きしたり、提供手順を無視した接客等々、なにかにつけて半額だからいいやとばかりに、いい加減な対応の数々。

特にこの時期は、多くの人たちの異動などによる、新規客獲得の為のイベントフェアのはずですが、作業に没頭するだけのスタッフの自分達都合の運営になってしまっている営業が目立ちます。

これでは、イベントフェアが本末転倒なのではないでしょうか。

まるで多くのお客様に自ら悪評を広めているようなものです。

せっかくのイベント事ですから、全スタッフが意識をしっかりと持ち、通常営業の自慢できる姿でお客様をお迎えしなければいけませね。

チップした食器の使用や帰り際のお客様を追いたてるような行為、恥ずかしいねぇ~。

たくさんのお客様に来て頂きたいと始めたイベントが、「あんな店にはもう行かない」と、思わせるような事はあってはなりません。

お客様は半額でもお金を支払います。

金額の大小関係なくお金を頂戴するという事実はなにも変わらないのです。

この機会をたくさんのお客様に店を知ってもらうチャンスと考え、ファンになってもらえるよう、また来て頂ただきたいと言う気持ちを持ってやらなければいけませんね。

是非皆さんもイベントや販促サービスを実施する際は、スタッフ全員がこの気持ちを忘れずに、お客様に接客しましょう。