KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.25

さぁ~夏本番まっただ中ですが、皆さんはこの暑さに負けずに頑張っていますか?

暑さを吹き飛ばし、笑顔で元気よくお客様をお迎えしましょう。

 

今回は、料理の提供についてお話したいと思います。

中華レストランのランチ時間帯での指導に訪問した時のこと。

サラリーマン風の男性と同僚の女性が来店しました。

スタッフは席へご案内し、オーダーを取っています。

その様子を見ていると、男性のお客様はチンジャオロース定食、女性のお客様は酢豚定食を注文していました。

スタッフは注文を確認し、厨房にオーダーを通します。

ほどなくして料理ができ上がり、オーダーをとったスタッフが料理を運びます。

席へ着くと、「チンジャオロース定食のお客様は?」と訊ねてから配膳していました。

そうなのです、男性のお客様はチンジャオロース定食で、女性のお客様は酢豚定食と覚えていれば、「チンジャオロース定食、お待たせしました」とスマートな接客ができるうえ、お客様の会話の邪魔をしなくてよいのです。

その後もお客様の様子を見ていると、女性のお客様は「遠慮しないでお先にどうぞ」と声をかけますが、男性のお客様が遠慮しています。

料理の提供に時間差があるのは、食べる方にとっては気まずいもの。

同時に出すのが基本ですから、作り手の作業工程ばかりを優先するのではなく、ホールスタッフと調理スタッフとがコミュニケーションを取りながら、オペレーションを工夫し提供時間にも気配りしましょう。

お子様や上座に座っているお客様など、優先順位をつけた方がよい場合は、オーダーを通すとき、厨房にも料理の優先順位を伝えるなどの気配りも必要です。

また、少しでも料理の提供時間がずれる場合は、「酢豚定食すぐにお持ちします」や「酢豚定食、もう少々お待ちください」等、一言気配りの声かけをする事により、お客様は安心します。

「自分がしてもらってうれしいことをする」。

ちょっとした目配り・気配り・心配り一つでもあると、お客様は大切にされていると感じるものです。

一つ上の接客を心がけ、あなたのファン、そしてお店のファンを増やしていきましょう。

暑い夏ではありますが、今日からワンランク上の接客を始めてみませんか?