KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.27

10月に入り、すっかり秋になってきましたね。

街を歩いていたら、銀杏の樹の下ぎんなんをひろっている人たちの姿がありました。

皆さんは「○○の秋」を満喫していますか?

 

さて、今回はクレーム対応についてお話したいと思います。

60席くらいの居酒屋に訪問指導した時の事です。

客席に座り、店内の様子を見ていると、お客様から呼び止められるスタッフがいました。

パントリーに行き、スタッフに事情を聞いてみるとお料理に異物混入があったとの内容でした。

すぐに商品を作り直して、店長がお詫びにあがりました。

店長の誠意が伝わり、お客様は特に問題にせず、会話を始める様子を見て、スタッフも安堵しているようです。

その後、店長よりお詫びの気持ちで、お店の特別裏メニューをサービスし、お客様も満足気です。

これで、お店のファンを逃さなくて良かったと見ていると、しばらくして、そのお客様が会計になりました。

店内の様子見ていると、店長は厨房の中で大忙しでお客様の会計に気づいていません。

キャッシャー担当は指摘を受けたのとは別のスタッフです。

そのスタッフはクレームを全く知らない様子で、いつも通りの会計の対応です。

すぐさま店長にサインを出し、お客様のお見送り、謝罪をさせました。

 

さて、皆さんのお店ではどのような対応をしていますか?

このようなクレームケースでは、お料理をすぐに作り直して、サービス品を提供したら終わりでしょうか?

お客様が怒っていなかったら終わりでしょうか?

謝罪して誠意を尽くすなら、お見送りまで、「フォロー」しなければいけませんね。

責任者が最後までフォローができれば一番良いのですが、現状では数少ないスタッフで対応がむずかしい事もあります。

大事なのはスタッフへの指示伝達です。

例えば、お客様から見えない所にホワイトボード等を置き、クレームを受けたスタッフは内容を記入し他のスタッフへも伝える、ハンディターミナルやPOSレジがあればクレーム情報を送り共有するなど、それができなければ、せめてキャッシャー担当へは伝達を徹底する事で、お会計時に「本日は申し訳ございませんでした」のお詫びができるのです。

 

お客様は嫌な思いをした事はどんなに仲間と楽しい会話をしても忘れていません。

会計時に、嫌な思いをしたと思い出してしまいます。

その時にお詫びの言葉がなければ、心からのお詫びの気持ちが伝わらなければ、「もう一回来てみようかなぁー」にはなりません。

クレーム対応はお客様との信頼関係を築くチャンスでもあるのです。

しっかりとクレーム対応することによって、不満から満足に変えられれば、信頼関係が生まれ永久顧客へとつながるのです。

 

これから、繁忙期に入りますね。

ぜひ、スタッフと情報共有し、フォロー体制をしっかりと作り上げて、あなたのお店のファンを逃さないでくださいね。