KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.50

お疲れ様です。

この挨拶は、やはり連日の夏日からやっと解放された安堵の一言。

現場厨房、調理場で働く皆様に限らず、客席を動き回る接客係の方々、ほんと暑い中、お疲れ様でした。

やっと一息ですね。

残暑がなく、居酒屋業界は生ビールの販売が少なくなりそうでちょっと残念ですが。

今回お話ししたいのは、指導先で打ち合わせをしていて、食材原価の把握について、スタッフ個々の意識がまちまちで大きな開きがあるという事がわかったという話です。

メニュー開発時には、基準表による原価計算から売価設定をしているのでしょうが、このところの材料費の変動や実質値上げ(内容量を減らす)にまったく気がつかない、または端から価格を全く知らないなど、現場スタッフの意識が材料費に無頓着な人が多いことに驚きました。

店は原価率の適正な維持に困っているのでとの事ですが、個別にスタッフにあたると原価?とまるで他人事。

出汁、スープ、調味料の液体をお湯や水の様に扱ったり、米はただの如く規定量を無視するなど、挙げれば数々出てきます。

これらの問題点は、原価意識がなかったり、材料の価格変動に無頓着だったり、スタッフの情報共有ができていない事などから始まっていると思われます。

店長さんは、一度スタッフにお米一キロの値段を尋ねてみてはいかがでしょう。

驚きの答えが返ってくると思いますよ。

食材価格の把握や基準表の徹底、ロス管理といった項目をスタッフ教育に取り込むべきだと思います。

『原価率の1%の重み』」はスタッフに伝っていますか?

「1%なんて」と思っているスタッフが多いことに気がつきますよ。

肉の掃除や野菜の仕込み、調味料の取り扱い等、雑な廃棄には要注意ですね。

(ビックリするぐらい捨てていますよ)。

食材の大切さを身につけさせましょう。

「当店は原価率を適正に維持しているから大丈夫」などと油断してはいけません。

仕込み・調理の際の調理ロスの他にも、保管時の管理ミスによる賞味期限切れや、腐敗、サービス時の失敗などによって発生するロスもあります。

一人ひとりの「これくらいいいや」が重なれば、店にとっては大きなロスになりますね。

スタッフ一人ひとりがロス管理を意識することで、ちょっとしたロスでも軽減していくことが利益を出す事にも繋がるのです。

天候不順などで、キャベツ一個が100円の時もあれば、300円になったりする時もありますね。

価格を知っていて取り扱うのと知らずに物を扱うのでは意識が違うでしょう。

食材を大切に扱う、原価意識を持つ、基準表を守るだけでもロスは軽減されます。

今すぐ日々の基本的な取り組みからスタートさせましょう。

適正な数字を維持できれば、その分お客様に還元できることにもつながりますから、お客様に喜んでいただくことになりますね。

無駄な事や捨てる事などにお金をかける事ほど経営の悪はありません。

片目瞑らず目を皿のように見開きましょう。