KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.59

九州、中国、四国、近畿、東海地方に続き、関東甲信地方でも梅雨入りが発表されました。

一斉に梅雨入りですね。

今年は遅い遅いと言われていましたが、平年より3日は早く、昨年より2日遅い梅雨入りです。

これからは雨の多いジメジメとした日が続き、それが過ぎると、高温多湿な夏がやってきます。

飲食店にとって、特に食中毒への注意が必要なシーズンですね。

細菌が繁殖しやすいこの時期はとくに食中毒防止への意識を高めて、お客様の目につくところはもちろん、普段目につかない細かな箇所まで、清掃・除菌を心がけるようにしましょう。

食中毒とは別に、この時期、飲食店で気になる注意点について話したいと思います。

それは、店内に漂ういや~な臭いの話です。

食べ物を扱っているのだから、多少は、揚げ物のにおいや炒め物のにおい、醤油のにおいなど、店独特なにおいはあって当たり前ですが、飲食店において大敵な悪臭が知らず知らずのうちに店内に漂っていたなんてことはありませんか?

気温が高い時期の空調設備の不備による店内空間環境の不快な臭いや、エアコンからの清掃不足によるカビ臭さ、グリストラップのイヤな臭い、トイレの臭いなど、心当たりがあるのではないでしょうか。

毎日、店舗業務をしていると、麻痺しがちで、なかなか気がつかないものですが、訪れるお客様は、敏感に反応しているものです。

空調ひとつとっても、適切な排気、換気が行われなければ、その負担は当然お食事されるお客様へとのし掛かります。

汚いまままのエアコンで、お客様が臭い風を浴びたり、暑いのに生ぬるい風しか出ないとか、エアコンから水がポタポタ垂れる店舗にまた行きたいとは思わないはずです。

グリストラップを設置していても、清掃・洗浄・処理がきちんと行われていないと、生ごみ臭、魚の生臭さ、油脂などが混じった強烈な臭いが発生します。

厨房はもちろん、店内や店外にまで悪臭が漂い営業どころではなくなってしまう可能性もあります。

下水配管のトラップの不備や詰まりなどもありますから、厨房の排水口やトイレの狭い空間の消臭など、今一度徹底しましょう。

エアコンはフル稼働前に一度チェックしておきましょう。

噴き出し口が埃で汚れているのは衛生的にもお客様に与える心象的にもよくありません。

噴き出し口はもちろん、フィルターに埃などが溜まっていないかをチェックし、定期的に掃除しましょう。

また、布製シートや座布団なども要注意です。

見るからにうす汚れていたり、油や食べこぼしのシミなどがあると雑菌の繁殖や臭いの発生も心配されます。

定期的に洗濯や交換をしましょう。

それと意外と気がつかないのがテーブルの臭いです。

ダスターで拭いたのでしょうが、ダスター自体が殺菌や洗浄が不十分だと、生ゴミの腐ったような臭いがしたりしていることがありますね。

その臭いの付いたダスターでテーブルを拭くのですから、臭いが移ります。

悪臭漂うテーブルで食事などしたくはないでしょう。

ご来店頂いたお客様に、料理や接客以前にマイナス評価になる事は、避けたいもの。

毎日の清掃に勝る法なしですね。

においは、眼に見えない強敵ですが、清掃・点検、リセット、消臭予防を徹底し、悪臭は元から絶つよう心がけましょう。

お客様を呼ぶ匂いは出したいですが、お客様を不快にさせる悪臭は絶ちたいものですね。