KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.70

連日、猛暑日や悪天候が続き、「暑いねぇ~」が挨拶がわりになっていますね。

本当に天候に悩まされ続きの毎日でお疲れ様です。

今回は、「人手不足」または、「効率化の為のオペレーションの変更」での問題点について話したいと思います。

まずは、効率化や店舗管理の為の“券売機導入”で起こりうる問題点について考えてみましょう。

お客様の入店時には、「いらっしゃいませ」の一言から始まりますが、券売機を導入したことで、オーダーと会計が省略されるため、スタッフの緊張感が欠如するのか、多少なりとも、お客様の動向に無頓着になる傾向があるようです。

入り口付近に目を向けない、入店にも気がつかない、入店からオーダー受けまでセルフでお客様任せ、いつの間にか席に座って呼ばれるまでほったらかし、回転の為のバッシングの遅れ等など、しかも、お帰りのタイミングもお客様がいつ帰ったのかも気がつかず、サービス券も渡せず、お見送りでの「ありがとうございます」の声かけもできない。

最近ではSNS等で上位に入る悪評に「いらっしゃいませ、ありがとうございます」を言わない低レベルの接客を指摘されるケースがよくありますね。

スタッフの応対がなければ、お客様も不安な気持ちになり、味の期待も薄れ、高評価は期待できないでしょう。

オペレーションの効率化が、サービスの低下に繋がらない方策を考えないとお店の悪評の元になります。

“券売機導入”時には、しっかりとした対策を考え、導入度のサービス状況の確認を怠らないようにしましょう。

次に、ランチタイム等にお冷やのピッチャーをテーブルに置くなどの「半セルフ」のサービスについて考えてみましょう。

これも人手不足や効率化を考えた、スタッフの手間を省くサービスですが、ピッチャーを置いたらそれで終わりといった認識のスタッフが多いのではないでしょうか。

ピッチャーが空でも気がつかない、お客様が水をこぼしたり、ピッチャーが近くになくても何のフォローもしないでは、効率化がサービス低下につながり結果的に業績を悪化させかねません。

きっちりお冷やの継ぎ足しや、テーブル周りのケアも考えながらの行動サービスを取り入れ、他店との差別化を図る良い機会にしましょう。

どんなに商品が良くても接客に光るものが無いと競合に打ち勝つのは難しい時代なのではないでしょうか。

他店ではできていない事に取り組みチャレンジすることこそ、地域一番店の近道です。 

今回は、効率化による気の緩みからの問題点に眼を向けました。

来店動機の一つにあの店は接客が良いね~があることを忘れずに。

「お迎えからお見送りまでがサービス業の基本」。

安心、安全、嘘がない。

基本的な事に気がつかないと取り返しがつかず、気づいた時に慌てて動き始めても倍の苦労が待ってますよ。

今一度、自店のコンセプトはお客様に通じているのか、初心を忘れていないか、期待に応えているのか、見つめ直してみる時間を取ってみませんか。

日本列島、猛暑が続きますが、体調管理をしっかりしてがんばりましょう。