KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.119

 

9月になって気温が急激に下がりましたが、皆さま体調は大丈夫でしょうか。

気温とは違ってコロナ感染の流行は、なかなか感染者の数を減らすことなく、「緊急事態宣言」(酒類の提供禁止・時短)は9月12日の期限がどうも延長となるようです。

2週間ほど伸びるようですが、またか、という感じで気持ちが滅入るばかりですね。

新型コロナウイルスの感染拡大は今月で1年半になるわけですが、ワクチン接種が進んでいるとはいえ、「安心」には程遠いと言わざるを得ない状況です。

我々業界は、非常に厳しい嵐の真っただ中にあるのですから唸るしかありません。

こんな時に総理は辞めると言い出して、総裁選や衆院選挙のことで議員は右往左往、国会は閉まったまま、日本はどうなるのしょう。

やれやれ・・・。

先日、顧問先で新業態開発のための新商品の試食会がありました。

各企業、withコロナ/afterコロナを生き抜くための取り組みに考えを巡らしているのです。

試食会後、近くのカフェで打合せを行いました。

大手チェーンのカフェらしく感染対策もキチンとしていて、応対もマニュアル通りにそつなく行われていました。

私たちも安心してテーブルにつき、先ほどの試食商品について打合せを始めました。

もちろん、コーヒーに口をつけるとき以外はマスクを着用しての会話です。

順調に話が進んで20分ほどした時です。

隣のテーブルから大きな声が聞こえてきました。

「そうそう、例の件なんだけどさあ・・・。」

そちらを見ると、男性が携帯電話を耳に当てながら話しています。

店内で電話、それもマスクもしていません。

興奮の面持ちで声も大きいため、耳障りでもあり、ましてや飛沫を飛ばしながらの様子が気になってミーティングの内容が頭にストレートに入ってきません。

他のメンバーも気になるようで、打合せがグダグダです。

空気を呼んだ私は話を変えるしかなく、しばし雑談に振り替えたのでした。

その間、店のスタッフの動きを観察しました。

女性スタッフも男性スタッフもその“携帯男”をチラチラ見てはいましたが、何の行動も起こしませんでした。

他のお客様の様子も確認していません。

私は目が合えば、アイコンタクトで「注意してください」と促すつもりだったのですが。

カウンターの中のスタッフたちは時間が過ぎるのを待つばかりでした。

程なく携帯のおしゃべりは終わりましたが、本人は何も感じてはいないようでした。

我々もその後、打合せを終え外に出ましたが、思いは皆同じだったのでしょう。

「何なんですかね、あの男!

よくこんな時期にノーマスクのまま携帯でそれも大声で話すなんて。」

「ホントビックリしましたね、常識がないですね。」

批判は店側の対応についても。

「なんで注意しないんでしょうね。

自分たちはカウンターの中なので安心ってことですかね。」

「あの状況のマニュアルが無いんじゃない?」

「マニュアルにないと仕事の範疇じゃないってことですかね。」

「ダメでしょう、それじゃ」とまあ、お店の対処、対応について、さながらミーティング状態になってしまいました。

ある意味、良い材料を提供していただいたとも言えます。

コロナ禍でなくてはここまで話は発展しなかったかもしれません。

つまり、今お店にご来店いただいているお客様は店のコロナウイルスとの向き合い方に関しては細かく対処対応を求めているということです。

もう一度更なる見直しをしなければなりませんね。

ホント、たいへんですが何とか耐えましょう。

お客様の笑顔をつくりましょう。

ではまた。