KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.126

 

4月を迎えて、今年も変わらず桜は綺麗に咲き、穏やかな春を迎えていますね。

まん延防止措置は解除され、街中は人混みで溢れるようになってきました。

新型コロナ感染の流行はオミクロンから、「BA.2」という厄介な新株が現れたことにより、感染者の数は高止まり的になってきて、新たに第7波が来ると言われるようになってきました。

我々はやはり、WITHコロナを意識しながら今後も経営を行っていく覚悟をしなければならないのではないでしょうか。

そして、従来の運営におけるシステム、マニュアル等は変更せざるを得ないのではないでしょうか。

そんな思いで街を徘徊し、今回も頑張っている飲食店を街視察しながら覗いてみました。

入り口での体温計測・手指消毒は、もう、当たり前になっています。

体温計測はスタッフの方が行うやり方から、自動計測のマシンを導入しているところが増えている気がしますね。

これは人手不足が加速している影響もあるのでしょうか。

迎えに来たスタッフの「いらっしゃいませ」の言葉は定番として出ていますが、その方以外のスタッフから「いらっしゃいませ」は聞くことができませんでした。

ですが、これは果たして良くないと言えるでしょうか。

コロナ前なら、〈店内コダマ〉が活気を創る元ですから、一人の「いらっしゃいませ」が聞こえたら、気づいた他の人も、できれば全員で挨拶し、店の活気を創りましょうというのが、我々の定番指導でした。

でも、コロナ禍では、マスクを着用しているとはいえ、大声で「いらっしゃいませ~」「ごゆっくりどうぞ~」「ありがとうございます」と大声を張り上げることを気にされるお客様もいらっしゃいますね。

できるだけ、安心安全の店内環境を維持するためにも、無駄な大声ではなく、声のボリュームは抑えつつ、顔を上げてにっこりとした笑顔でお迎えしましょう。

席に着いてからは、ソーシャルディスタンスの意識からか、スタッフの客席接遇はかなり少なく感じました。

取り皿の交換や追加オーダーなど、最低限の行動も遠慮がちに思えました。

こんな風に聞いてみました。

「コロナのせいで、なるべくお客さんと話さないようにしてるんですか?」

するとこんな答えが返ってきました。

「いやぁ、私たちは普通に接したいと考えてやってきたんですが、たまにそれを嫌がる方がいらっしゃるんですよ。

この前は料理を持っていったら、料理名や説明なんか、そんなそばでやらないで頂戴、いいから早く戻ってと言われたんです。

お客様もコロナ疲れでしょうが、私たちもストレスが溜まります。

お客様のように話しかけてくれると助かります」とのことでした。

一握りのお客様の要望だからと言って無視できないのが我々の仕事です。

かといって多くのお客様の喜びである人(店)との接触を皆無にするのは本末転倒ではないでしょうか。

今の目の前のお客様がどういうタイプの方なのか、瞬時に判断して対応するという、本当の意味でのプロにならなければいけない時代になったのかもしれません。

ホント、たいへんですが何とか耐えましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

ではまた。