KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』  Vol.135

 

明けましておめでとうございます。

薄気味悪く思っていた新型コロナ感染の流行も正体がわかってきて、怖さが薄れてきたのか、正に「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という感じで、街の喧騒は普通になってきましたね。

今年は業界に期待を持てる感じがします。

まあ、中国のコロナ対策の失敗のつけがこちらに廻ってこないことだけは願っています。

新しい幽霊の出現だけは御免です。

さて、今回は感染対策で増えた、タブレット端末・モバイルオーダーにまつわる体験のお話です。

人手不足対策でもあるこれらは、ロボットと共に、着実に業界に浸透し始めていますね。

某日大手チェーンの焼肉店にスタッフと2人で訪問しました。

テーブルに案内されると、テーブル奥にタブレット端末、手前にモバイルオーダーができるQRコードが挟まれた伝票クリップが置いてあります。

「スマホでQRコードを読み取っていただくか、タブレットでご注文ください。」

早速、読み取り操作を始めました。私は、もう何回か経験していましたからできましたが、初めての方や中高年の方は戸惑うのではないのかな、と思いました。

〈操作はわかりますか?〉〈お呼びいただければ、口頭でも承ります〉などと言ってくれれば、安心するのに、端末ありきのサービスが前提とはいかがなものでしょう。

機械化されたからこそ〈ぬくもり、やさしさのサービス〉は重要ではないでしょうか。

「心がないよねえ」などと軽口をたたいていると、注文した瓶ビールが1本運ばれてきました。

ですが、2人なのにグラスは1つ。

運んできたスタッフはそのまま帰ろうとしたので、「すいません、グラスもう1つください」というと、少々怪訝な顔をしつつ持ってきてくれました。

その後、しばらくして、2本目のビールを注文すると、その同じスタッフはまた、グラスを一つ、持ってきたのです。

え、ビール1本頼むとグラスが1つ付くシステムなの?

モバイルオーダーで、グラスの数を入れるところがあったのかな、などと考えていると、相方が「ビール持って行かれちゃいましたよ」っと。

そうなんです、まだビールが残っていたのに、1本目を片付けられてしまったのです。 

すぐに呼び止めて戻してもらいましたが、「お下げしてよろしいですか?」の一言ぐらい聞いてほしいものです。

オーダーが機械化されたからと言って、人間まで機械みたいな対応はいかがなものでしょうか。

モバイルオーダーなどで業務の効率化をおこなった分、接客を重視しないとお客様の満足度は低下するでしょう。

効率化のみではせっかくの食事が味気なく感じでしまうからです。

皆様のお店のスタッフは人間を演じてくれていますよね。

因みにグラスの数は、モバイルオーダーで数字を入れないといけないのだと後で気が付きました。

こちらの操作ミスでした。

でもねえ・・・。

ホント、たいへんですが、何とか頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

ではまた。