3つの“ing”(2)

 今回はサービスマン(ウーマン)として行うべき一連の行動である“Watching→Thin-king→Asking”の第一ステップ「Watching」についてお話させていただきます。
「Watching」とは、「観察」すなわち、サービスにおいては“注意深く観察する”ということです。
店内のお客様を注意深く観察するということは、サービスするうえで、とても重要になります。なぜ重要なのか実際の営業中のシーンを想定して考えてみましょう。
 まずはお客様の入店時です。入口でお客様を「お待ちしておりました」という感じでお迎えするためには、常に店外の様子や入口付近(2階以上の店舗は階段やエレベーター)を観察している必要があります。なぜならば、入店に気付けないとお客様は入口で不安になってしまうからです。
 次に、例えば5組のお客様が来店されている場合、この5組のお客様は、ほとんどの場合、一時に来店されるわけではないので、一組一組状況が異なります。メニューを見ている所もあれば、食事を待っている所、また、食事を終えている所もあるでしょう。とすると、そのテーブルごとに行うべきサービスは当然異なることになりますし、そのタイミングも違ってきます。テーブルごとの状況と、一人一人のお客様が今何をしていて、または何をしてもらいたいかに常に気を配らなければ、今すべきサービスを提供することはできません。
 また、“組”としてではなく、一人一人のお客様という点でいえば、お年寄りがいたり、疲れたサラリーマンがいたり、子連れの主婦もいたりするのです。お年寄りに対する思いやり、疲れたサラリーマンに対するいたわり、子連れの主婦に対する気配りなど、接し方が違うことで、サービスとしての質がそれぞれ満足いくものに感じていただけるのです。
 ですから、Watchingを常に行ない、把握していることがとても重要なのです。

・入口は5秒に一度観察する


・テーブルごとの状況と一人一人のお客様が、今何をしていて、または何をしてもらいたいかに常に気を配り、「お客様の表情・しぐさ」と「テーブル上の状態」を継続して連続写真のように観察する

などを全スタッフに習慣づけ、教育システムにまで反映させることが重要です。
「たまたま見ていたから気付いた」ではなく、「予測しながら常に観察していて気付く」ことが大切なのです。
 「あそこのお店は気がきくよ」とか「気配りがあっていいサービスをするお店だよ」などと評判が立つ店には必ず“Watching”がシーンやポイント別に整理され、習慣化されているスタッフがいるか、店としてそれを教育するシステムがあり徹底しているものです。
前回予告した“Thinking”までお話できませんでした。ですが大切なポイントですので次回も“Wathing”についてもう少しお話させていただきます。