コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2013年1月8日

Vol.103 ロマネスコ

今から、5~6年ほど前、あるイタリアンのお店で、衝撃的な野菜に出会いました。

その野菜は、クリスマス時期でしたので、ツリーをイメージしたのかなとは思いましたが、でも、いぼいぼのとんがり帽子か、はたまた角か、としか見えず…。

その衝撃的な形をした野菜が「ロマネスコ」という名だと知ったのは、その後ネットで調べていて。

そこには、フラクタル形状に、とか、幾何学的に、とか、芸術的に、とか、ロマネスコの形状を表す美しい言葉が並んでいました。

が、全体写真を見た私には、大仏の頭にしか見えず…(笑)。

はぁ、私の感性なんてそんなもんです…。

そんなロマネスコ、ちらほらと、デパートや、ちょっとコジャレたスーパーなどで見かけるようになり、更に今シーズンは、地元のスーパーでも普通に見かけるようになりました。

あいかわらず、衝撃的な形をして…。

ということで、今回は、「ロマネスコ」。

● ロマネスコってどんな野菜?

ロマネスコはカリフラワーの一種です。

イタリア語での呼び名である「ブロッコロ・ロマネスコ」(ローマのカリフラワーの意)に由来しています。

花蕾群の配列が、フラクタル形状(自己相似性)とも言われ、尖った塊が、螺旋を描きながら、いくつも、それも螺旋を描きながら作られています。

かなり特徴的で、野菜なのか、花なのか。

もともとは観賞用だったというのもうなずけます。

ブロッコリーとカリフラワーのあいの子とか、かけ合せた野菜、とも言われていますが、ブロッコリーとカリフラワーの中間のような色(クリーム色から緑の中間色)や形、味をしているだけで、あくまでもカリフラワーの一種だそうです。

が、味がどちらかといえばブロッコリーに近いからか、あるいは緑色のカリフラワーと間違えないようにするためか、呼び名は、ロマネスコ・ブロッコリーが優勢になっているらしいです。

だから、更にややこしくなってるんですね。

● いろんな呼び名があるロマネスコ。

地元のスーパーでこのロマネスコを見かけたとき、名前にびっくりしました。

「やりがい君」。

周りには、ロマネスコの「ロ」の字もない。

「ヤリガイ」に似ているから、ということで、やりがい君と付けられたらしいですが、「ヤリガイ」って何?ほんとにある貝?ということで、必死で調べました。

ヤリガイなんて、知らなかったもんで。

あんまりよくわかってないんで、詳しくは言いませんが(すみません…)、巻貝の一種なんですね。

一応、ほんとに、ある貝みたいです。

確かに、似てるといえば似ていますが、別に「サザエくん」でも、他の巻貝の名前でもいいんじゃないかと…(笑)。

「やりがい」とかけたんでしょうかね。

他にも、「サンゴショウカリフラワー」とか、「連山」 「連山2号」 「うずまき」 「ミナレット」など、形から連想できるものや、「カリッコリー」 「ブロフラワー」など、まさにブロッコリー+カリフラワー的な発想の登録品種名、商品名がいろいろあるようです。

みなさまは、どの名前が1番ピンときますか?

● ところで栄養はあるの?

残念ながら、野菜の王様的なブロッコリーには、ちょっと届かず、カリフラワーにも、ほんのちょっと届かず。

ですが、ブロッコリーやカリフラワーよりもカロリーは低く、ブロッコリーほどではありませんが、ビタミン類、鉄分、食物繊維などの栄養豊富な野菜です。

カリフラワーやブロッコリーなどと同じように、軽く茹でたり、蒸したり、炒めたりして、食べます。

うちの、この間のクリスマスは、このロマネスコを、クリスマスツリーに見立て、温サラダに仕上げました。

しかし!

このロマネスコでやりたいのは、ただ1つ。

やはり、第1印象だった、角。

節分の日は、絶対、ロマネスコを角に見立てて、お皿を飾ってやる、と今から、どう料理しようか、考えている私です(笑)。

今年の、節分に、ロマネスコ、いかがですか(笑)。

あ、ちなみに、旬は、産地にもよりますが、11~2月。

ちょうどですね~。

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