コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2020年6月8日

Vol.104 顧客信頼のために今できること

6月に入りましたが、「新型コロナ感染」はまだまだ収束とは程遠い状況のようです。

一時の拡大傾向からは収まり、緊急事態宣言も解除されましたが、今度は第2派が懸念されています。

「自粛」の影響は続いているようで、顧問店の皆さんの売り上げも戻ってきたといっても前年比50%~70%が大半です。

テイクアウトやデリバリーなどの対症療法を講じての話ですから、先行きは未だ不安です。

「自粛が緩和されましたが、コロナ感染が収まったわけではないので、充分な感染防止対策をしようと思っています。

感染を未然に防ぐためにいろいろと工夫してみたのですがどうでしょう。」

ある顧問店の社長がチェックをお願いしますと店内を案内してくださいました。

ソーシャルディスタンスを意識して、カウンター席は1席おきに間を空かすようにイスには✖のテープが貼られており、テーブル席も同じようにテーブルに✖が貼られていました

(「この席はご利用になれません」の言葉も添えられていました)。

スタッフのマスク着用はもちろんのこと、フェイスシールドの着用も行なっていました。

スタッフには出勤前に熱を測ってもらう、体調が悪い場合は早めに申し出てもらうなど、スタッフの体調管理・衛生管理も実践しているとのこと。

入り口にはアルコール消毒液が設置されています。

また、1時間に2回5分程度、窓や入り口ドアを開けて空気の通り道をつくり、しっかりと換気することで店内をリフレッシュさせていました。

さらに、細菌除去の効果がある空気清浄機の設置もレンタルで設置されていました。

以前は、箸やカトラリー類はケースに入れテーブルにあらかじめ、セットしてありましたが、今は、人数分を提供するように変更したとのこと。

置いてある箸、カトラリーの飛沫感染で他のお客さんに感染するリスクをなくすためだそうです。

お客様のため、働くスタッフの健康のためを考えてできるだけのことをして営業する社長には頭が下がる思いです。

ただ、心配になるのが効率の問題ですね。

単純に考えれば、営業面積が半分になるわけですから、コロナ対策経費をかけて売上効率を下げるという矛盾した行為はどうなんだろうとも思ってしまいます。

家賃分の営業面積を半分しか生かせないなんて・・・。

(やっぱりテイクアウトやデリバリーに力入れないとだめだな)。

そんなことが頭をよぎった時に社長からこんな言葉をかけられました。

「私たちはお客様から今まで生かしてもらって今があるんですから、できるだけの安心を作らなければいけないと思うんですよ。

確かに経営は苦しくなっていますが何年もこの状態が続くわけじゃないでしょう。

私は給料半減、社員にもわかってもらい減額をお願いして何とか乗り切りますよ。

対策経費や効率が悪くなっても、お客様の信頼が今得られれば、きっといい未来が来ると思います。

大変ですけどね。」

涙が出そうになりました。

そうです、お客様はきっとわかってくださいます。

ホントたいへんですが今月も健康で頑張りましょう。

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