コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2013年8月12日

Vol.110 泥鰌(ドジョウ)

息子が、夏休みに、学校で飼っているドジョウをうちに持って帰ってきました(泣)。

ので、今、うちではドジョウを飼っています。

ほとんどな~んにも入っていない水槽で、ドジョウを5匹飼っていたので、あまりにもかわいそうで、砂とか水草とかを買って、入れてあげました。

夏は、水がすぐににごります。

そのため、3日に1回は水槽を洗い、水を変えます。

水槽が大きく、4年生1人ではできないので、手伝ってあげていますが、初め、2人の呼吸があわず、お風呂場でドジョウを逃がしてしまい、ドジョウすくいもどきまで、経験させて頂きました(笑)。

「こんなにがんばってるんだから、夏休み最後の日に、このドジョウ食べていいの?」と聞くと、息子に真剣に怒られました(笑)。

でも、「ドジョウってほんとに食べられるの?」とちょっと興味ぶかそうでした。

前置きが長くなりましたが、今回は、そんなで、ドジョウの話。

● うちのどじょうは、食べられるの?

基本的に食べられます。食べませんが(笑)。

最近では、天然ものが手に入りづらくなり、養殖や輸入も多くなりましたが、昔は、近くの川や水田などでよくとれ、海から遠い農家などの貴重な栄養源だったようです。

ドジョウは、多くの種類がありますが、アジメドジョウが1番おいしいとされています。

これは、ヌマドジョウとも呼ばれ、近畿や中部地方で生息しているようです。

旬は、産卵期の6月。

冬眠から覚めた2月頃はやせているため、旨みはありませんが、養殖ものや、観賞用などで家で飼っている場合は、冬眠しないので、さほどやせてもいません。

ほとんどのドジョウは食べられますが、採れた場所は選んだ方がよさそうです。

藻がいっぱいのところで育ったドジョウは、ワタをとっても臭みが残り、食べられたものではありません。

できるだけきれいな川の、きれいな砂地で育ったものがおすすめです。

店で売られているものは、心配ありませんが、採ってきたものはきれいな水で2~3日泥をはかせます。

貝の砂出しと一緒ですね。

ドジョウは6~8cmほどの大きさのものが骨が柔らかくておいしいとのこと。

うちのは、2匹は10cm以上あり、かなり成長していますが、残り3匹はちょうど…(笑)。

● ウナギ一匹、ドジョウ一匹?

昔から俗に、「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」と言われ、ドジョウわずか1匹でウナギ1匹に匹敵するほどの高い栄養価を得られる食材とされています

まず、なんといっても、カルシウムがウナギの約10倍!

頭から食べられる魚だからでしょうね。

70gで1日分のカルシウムが摂取できます。

さらに、そのカルシウムを吸収しやすくさせるビタミンDも豊富です。

また、ビタミンB1、B2も含まれており、ウナギ同様、夏バテした身体にも効果的。

さらに、さらに!

コラーゲンも含まれている上、カロリーはウナギの1/3!!

食べず嫌いなんて言ってる場合じゃないですよ~(笑)。

● どうやって食べるの?

まず、泥を吐かせるのは、上記でのべた通り。

次に、唐揚げやドジョウ鍋のような場合は、ドジョウを入れた器に日本酒を注ぎ、ドジョウを酔わせるようにします。

しばらくすると、ドジョウの動きがとまります。

ドジョウが酔っぱらったため、これで、生きたまま調理しても、鍋から飛び出ることはありません。

また、日本酒で、ドジョウの泥臭さも消してくれます。

ちょっと大きめのドジョウは、開いて、かば焼きや、柳川鍋にします。

川魚は、背開きとよく言いますが、関西では、ウナギは腹開きをする方が、多いような…。

でも、ドジョウは、どこでも、背開きが一般的のようです。

大きめのドジョウは、ぬめりも強いため、皮目に熱湯をかけ、氷水に落としてから、皮目をしごいてぬめりをこそげ落とします。

ちなみに、どんなに新鮮なドジョウでも、寄生虫がいるため、絶対に生で食べてはいけません。

ドジョウの料理店ののれんには、よく「どぜう」と書いてあります。

昔の仮名遣いなのかと思っていたら、正式な旧かなづかいは「どぢやう」。

浅草駒形の越後屋がドジョウ鍋を売り始めたのが、ドジョウ料理の始まりとも言われていますが、当時ののれんには「どぢやう」。

この後、江戸に大火があり、4文字は縁起が悪い、と「どぜう」の3文字になったとか。

そこから、店は繁盛し、他の店もまねるようになったそう。

つまりは、越後屋初代の造語ということらしいですが、粋だなぁと感じるのは、私だけ?

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