コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2014年5月13日

Vol.119 ちゃんぽん

先日のGW、主人のおばあちゃん、子供にとってはひいおばあちゃん(94才?)に会いに、佐世保まで行ってきました。

基本は、ひいおばあちゃんと一緒に、お墓参りをしたり、散歩をしたりして過ごしましたが、せっかく佐世保まで来たんだから、と、子供と長崎の平和記念公園まで、ちょっとだけ、足をのばしました。

そして、せっかく、長崎に来たのだからと、長崎ちゃんぽんを食べてきました。

あ、あくまでも、長崎ちゃんぽんはついで、ですよ(笑)。

でも、今回は、長崎ちゃんぽんの話。

●長崎ちゃんぽんって?

諸説ありますが、ちゃんぽんには、「ごちゃ混ぜにする」という意味があり、ここからきたというのが有力のような。

そういえば、ワインだの焼酎だのいろんな種類のお酒を飲んだ時にも、ちゃんぽんしたと言いますよね!?

長崎市にある「四海樓」という中華料理店が発祥らしいです。

当時訪れていた中国人留学生に、安くて栄養価の高い食事をさせるために考えられたと言われています。

他の中華麺との大きな違いは、具を炒めて、スープを加えた中に、麺を入れて煮立たせること。

そのため、麺は、他のかん水を使用した中華麺とは違い、唐灰汁といわれる炭酸ナトリウム90%の水でこねた特有なものを使用します。

そして、なんと、長崎ちゃんぽんは、「長崎県内で製造されている」、また、この「唐灰汁で製麺されている」麺を使用すること、と規定されているそうなんです。

ちゃんぽん用の麺はもちろん、具も袋詰めされ、普通のスーパーに売られています。

そして、そのどの具の袋にも、毒々しいほど色鮮やかな、ピンクの蒲鉾が入っていることも、きっと、あたりまえで必要なことなんだろうなと感じながら、見ていたのでした。

●そぼろとソース

メニューには、「ちゃんぽん」と並んで「そぼろちゃんぽん」というものが、ほとんどのお店にあります。

東京人の私は、へ~そぼろ(ひき肉を甘く煮つけたもの)が乗っかっているのかなぁと思っていたら、全く違い、「具沢山」という意味なんだそうです。

ですから、お店によって、「そぼろ」の具は違います。

お肉が多かったり、肉団子が入っていたり、白菜や八宝菜のような野菜が入っていいたり。

あ、生卵を落とすところも多いようです。

また、皿うどんと呼ばれているものは、この「ちゃんぽん」の麺を使用し、少ないスープをすわせて、スープなしにした焼きそばのようなものが本当だとか。

長崎ちゃんぽんを丼ではなく、皿に盛り付けて、食べやすくしようしたものらしいです。

なので、よくある、細い麺を揚げて、とろみをつけあんをかけたものは、実は「炒麺ちゃーめん」であり、皿うどんとは異なるのだとか。

でも、最近はこの「炒麺」の方が、「皿うどん」として、提供されていることが多いようです。

さて、この皿うどん。

何をかけて食べますか?

つい私は、お酢とからしで食べたくなるのですが、長崎人は、長崎特有のソースをかけるそうなんです。

ちなみに、「長崎ちゃんぽん」には白コショウだそう。

そして、佐世保に住んでいるひいおばあちゃん初め、親族に聞いたところ、「皿うどんにソースなんてかけないよ」だそう…。

これは、長崎人特有の食べ方らしい…。

実は、平和記念公園をはるかに乗り越し、この長崎ちゃんぽん発祥と言われる「四海樓」に行ってきました。

ついたのは、GW半ばの5/4(日)、お昼ちょっと前。

「四海樓」は長崎ちゃんぽん発祥の店とし、御殿まで建ててしまったくらい、有名なお店。

そうですよ、そうですよ。

よみが甘いですよ。

着いたら、人、人、人。

30人は待っていそうな。

お店の前には「只今混雑のため、いったん受付を中止します」との張り紙。

さすがに、目的は平和記念公園ですから、ここで、何時間も時間をつぶすわけにはいきません。

しょうがなく、地元の人に、ほんとに地元の人しかいかないような、小さなちゃんぽん屋さんを教えて頂き、そこで、やっと「長崎ちゃんぽん」と食べたのでした。

そこは、そこで、とてもおいしく、「そぼろ」の意味だとか、いろいろなお話も聞け、よかったといえばよかったのですが。

やはり、ちょっと悔しく。

「四海樓」のちゃんぽんセットをお土産に買って帰りました。

まだ、食べてはいないのですが。

セットには、ちゃんぽん麺と揚げた細麺が3つずつ。

きちんと、皿うどんではなく「炒麺ちゃーめん」と書いてありました。

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