コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2015年4月7日

Vol.130 機能性表示食品

4月1日より、「機能性表示食品」制度というものが始まりました。

ということで、とりあえず、消費者庁のホームページの情報を熟読してみました。

が、わからない…。

ほんとにわかりづらい…。

なので、私でもわかるように(←ほんとに低レベル…)、かみくだいてみました(笑)。

●トクホと何が違うの?

今まで、機能性表示というものは、「特定保健用食品(これがいわゆるトクホ)」と「栄養機能食品」というものに認められていました。

「栄養機能食品」というのは、すでに科学的根拠が確認されていれば、国に届け出を出さなくても表示できます。

ただし、これは、加工食品とサプリメントなどの、栄養成分(ビタミンやミネラルなど)の表示に限られ、表示の仕方もほぼ決められています。

「トクホ」でおなじみの「特定保健食品」は、「体脂肪を減らすのを助ける」など、個々の具体的な機能表示が認められていますが、国の審査・許可が必要になります。

そして、この国の審査・許可に、かなりの手間と時間がかかります。

また、表示される部位などにもかなりの制限があります。

そこで、健康食品市場の拡大策として打ち出したのが、「機能性表示食品」です。

「機能性表示食品」は、国の審査・許可がいりません。

販売前に、安全性や機能性などの根拠に関する情報を、消費者庁に届ければOKです。

なので、トクホと違い、多大な手間や時間がかからないこと、また、生鮮食品への表示もできること、部位などの制限がゆるやかなこと、などが特徴です。

つまりは、より手軽に企業は、食品の機能を消費者に伝えることができ、また、消費者は手軽に効用を知ることができる、と。

ただ、具体的な根拠の情報は、もちろん、公開されていますが、それを判断するのは消費者にまかせますよ、ということですかね。

●飲食店のメニューには、書いていいの?

さて、これが1番難しい問題で。

食品表示は、食品衛生法とか、JAS法とか、健康増進法などにより、「書かなきゃいけないこと」や逆に、「表示してもいいこと」などが決められています。

でもこの表示義務は、対面販売など、売り手と買い手が接しられるところにおいてはあたりません。

なので、パッケージされていても、ファストフードなどでの販売は、表示義務がないわけです。

ただ、POPやメニューには、今度は、景品表示法なんてのがでてきます。

しかし、この法には、「書かなきゃいけないこと」より「書いちゃいけないこと」、例えば、「うそはついちゃいけないよ」とか「誇大表示はしちゃいけないよ」くらいしか、書いてありません。

なので、芝エビだったり、車エビだったり、うその表示が問題になったことがありましたが、それは、これにあたるから、違法なわけですが、そうじゃなければ、そんなに厳しくない、のかな。

これを食べたら、「風邪がなおります」は、ダメだけど「風邪の予防に役立ちます」はいい?のかな(笑)。

しかし、今後は、こういったメニューなどにも、様々な規制がでてきそうです。

この制度は、新たな商機到来になるのでは、といわれています。

ネットでは、ヘルシーや健康をうたった飲食店のサイトがオープンしたり、と、更に、「健康」に対する意識が高くなっているようです。

消費者庁によると、1日だけですでに、「機能性表示食品」の複数件の届け出があったとか。

今回の制度には、ネガティブリストとして、認められない表現はあげてあるものの、使用できる具体的な表現例はだしていません。

この波に乗り遅れないようにとする生産者や企業も多い中、まだ、表示の仕方など、様子を見てからと考えているところも多いようで。

ということで、私もちょっと、様子をみようかな、と…(笑)。

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