2015年5月12日
Vol.131 そら豆
先日行ったお蕎麦屋さんで、季節のメニュー「蚕豆の天ぷら」。
「これなんて読むの?」
「蚕(かいこ)?気持ち悪くない?」と子供たち。
…。
う~ん。
確かに、蚕(かいこ)の天ぷらは気持ち悪いかも…。
ということで、今回は旬の「そら豆」の話。
●なぜ蚕豆?
そら豆は、さやが天(空)に向かって育つことから、「そらまめ」と呼ばれるようになったと言われています。
同じ理由で、「天豆(てんまめ)」とも呼ばれます。
また、蚕が作るまゆの形に似ていることから、「蚕豆」と書かれるようにもなったそうです。
ので、「空豆」も「蚕豆」も、また、「天豆」も「そらまめ」と読ませたりします
(天豆は、てんまめと読ませることが多いようですが)。
でも、私は、あまり、「蚕」というイメージがよくないので「そら豆」とひらがなで書く方が好き(笑)。
メニューも、蚕豆よりも天豆の方がイメージがいい気がしますが。好みですかね。
ちなみに、一粒の大きさが一寸(3cm)くらいなので、「一寸豆」とも呼ばれたりします。
●そら豆って栄養あるの?
そら豆は豆類ですので、良質な植物性たんぱく質を含む他、水分が少なくミネラルやビタミンB群などの成分が凝縮されているのが特徴で、栄養たっぷり。
また、薬膳の考えでも、そら豆は重宝され、利尿作用が高く、このジメッとした時期の身体の湿気をとりさってくれるため、むくみなどにも効くと言われます。
胃腸を強くし、疲労回復などの効用もあるそうです。
そして、身体を冷やすでも、温めるでもない食材ですので、誰でも用いることができるとか。
初夏や梅雨のこの時期、身体がだるいなと思ったら、とりあえず、そら豆。
おいしく、身体にいいなんて、そら豆は有能選手。
あ、だから、この時期、夕飯にそら豆の塩ゆでがちょくちょくでるのは、手抜きじゃないんですよ(笑)。
●豆板醤もそら豆って知ってました?
皮つきのまま甘く柔らかく煮た「おたふく豆」や皮を取り除いて煮た「富貴(ふき)豆」は、そら豆ということは、わかるかと思いますが。
中華料理の辛み付けに不可欠な豆板醤も、そら豆から作っています。
そら豆と味噌、唐辛子をまぜて発酵させたものですね。
だから、実は身体にいい調味料なんです。
ちょっと塩分が多いのが気になりますが…。
旬はとれる場所によって異なりますので、関東は4~6月。
鹿児島から東北の産地まで含めると、1~7月くらいまでが旬となります。
出初めの皮のやわらかいものは、皮も食べられます。
ただ生のそら豆は「おいしいのは3日だけ」と言われるほど鮮度の低下が早いので、できるだけさやのまま、そして購入したらすぐに食べることがおすすめ。
ところで、豆の上についている黒い筋、何ていうか知っていますか?
「お歯黒」です。
確かに…。
これを知ったとき、にやっと笑ったお歯黒の顔を想像して、つい笑ってしまった私でした。
なかやみわさんの絵本で「そらくん」シリーズがあります。
かわいくって、大好きな本なんですが、その中で、そらまめくんが、自分のさやをベッドにして寝るんです。
おおきくてふわふわのそらまめくんのベッド。
私も何度そのベッドで寝てみたいと思ったことか…。
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