コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2015年8月11日

Vol.134 紫キャベツ

先日、梅干しを漬けた残りの赤紫蘇でシロップを作ったときに、「ほら、理科の実験だよ」といって、真っ黒だった赤紫蘇のしぼり汁にレモン汁を加えて、鮮やかな赤紫にしたら、子供たちが、「なんで~!?」と感動してくれた。

その後、ふとしたところでリトマス試験紙を見つけたので、息子に買ってあげたら、大喜び(笑)。

夏休みの宿題「調べ学習」として、いろいろな食材で実験することに・・・。

更に、自分で少しは調べたのか、「紫キャベツでも、同じことできるみたいだよ」というので、紫キャベツも買ってあげた。

ので、今回は、紫キャベツの話。

●紫キャベツはキャベツの仲間?

紫キャベツは、レッドキャベツともよばれ、もちろんキャベツの仲間です。

でも、普通のキャベツよりも、硬くしっかりと巻いてあり、きれいな球になるものが多いですね。

普通のキャベツもビタミンCは多いのですが、紫キャベツは更に、通常の1.5倍も含まれていると言われています。

また、他にもミネラルや食物繊維も普通のキャベツよりも多く、実はとっても栄養価の高い野菜なのです。

旬は、一応キャベツと同様冬となっていますが、産地を変えながら、通年を通して平均的に出回っています。

ちなみに、紫キャベツとよく似ている「トレビス」は、レッドレタスと呼ばれ、レタスやチコリーのようにキクの一種で、紫キャベツとは違う仲間です。

●なんで紫キャベツの汁は色が変わるの?

紫キャベツの紫色は、アントシアニンによるもので、水に溶けやすく、煮ると煮汁が紫色になります。

この煮汁は、酸性、アルカリ性を判別するリトマス紙と同じ機能を持ち、酸性のものを加えると、赤く色が変わり、アルカリ性のものを加えると緑色になります。

このアントシアニンは、他にも、なすやブルーベリー、紫いもや赤紫蘇などにも含まれています。

ですから、赤紫蘇の煮出した汁にレモンを加えると、鮮やかな赤紫に変わる訳です。

紫いもを使用したお菓子などにもよく利用されます。

実験としておもしろいのは、しらたき。

しらたきは、アルカリ性の性質をもっているので、紫キャベツの汁の中に入れると、緑色に変色します。

ここに、レモン汁を加えると、今度はピンク色に変色します。

これは、かん水(アルカリ性)が入っているラーメンや焼きそばでも同じ結果に。

これには、調べる学習そっちのけで、子供たち大うけでした(笑)。

●ところでこの成分は身体にいいの?

緑色に染まった焼きそばなどをみていると、どう考えても身体に悪そうに思えてならないのですが・・・。

アントシアニンは、ポリフェノールの一種です。

そう聞いただけでなんだか、身体によさそうな気がしてきました(笑)。

抗酸化力が非常に強く、生活習慣病を予防することがわかっているそうです。

また、特にアントシアニンは、目によく、視力回復、眼病予防に効果があると言われています。

紫キャベツは、江戸時代頃に渡来してきたそうで、当時は、「ボタンナ」と呼ばれる観賞用とされていました。

そうです。

私が幼稚園の頃は、そこら中の花壇に、紫や黄緑のキャベツみたいなのがありました。

これ、キャベツ?と聞くと、違うと言われ、これは食べられないからね、と言われてきました。

最近見ないなぁと思うのは私だけですか?

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