コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2015年11月9日

Vol.137 チコリー

先日、満点青空レストランで「チコリー」を特集していました。

娘がそれを見ていて、「これ食べたい!」と。

そういえば、うちでチコリーを食べることはあまりなく、彼女は食べたことがなかったなぁ・・・。

ということで(?)、今回は「チコリー」。

●チコリーはどこを食べているの?

今回、私もテレビを一緒に見ていてびっくりしたのが、そのチコリーのでき方。

イメージとしては、10cmくらいの長芋を縦に置き、その上から、いきなり、チコリーが生えている感じ?

下からは根が出ていて、なんだか、その芋っぽい部分が柱みたいで・・・。

で、これ、畑で育てられているのかと思えば、もやしみたいに暗室できれいに並べられて育てられています。

これがまた、かわいい(畑で育てられているチコリーもあるそうですが)。

19世紀に地下室に置き忘れたチコリの根から、勝手に葉っぱが出ていて、食べてみたらおいしかったことから、栽培を始めたそうなので、こういう育て方なんでしょうね。

この芋っぽい部分、やはり、チコリー芋と呼ばれています。

でも、芋ではなく、根が太くなったものらしいです。

すごい太いごぼうのような感じ?

この部分は、基本的には食べず、ここから出てくるきれいな柔らかい葉の部分だけがスーパーなどに並んでいる訳です。

ちなみに旬は、12~2月。

これからですね~、楽しみ♪

●チコリーとシコレは同じ?

チコリーとかチコリと呼ばれていますが、「シコレ」という名前は聞いたことありますか?

名前が近いので、同じ野菜かと思いきや、これは、日本でいうエンダイブ(ギザギザした葉っぱのフリルレタスみたいな野菜)。

ん?

エンダイブ?

いや、アンディーブ?

またまた近い名前が出てきました。

このアンディーブはチコリーのことです。

アンディーブはフランス語。

シコレもフランス語。

ヨーロッパのアンディーブ(チコリー)とシコレ(エンダイブ)がアメリカに渡った際、もともと近縁種で似ていた2つが間違って逆になり伝わってしまったそう・・・。

昔々、まだまだ私が料理の世界では卵だった頃(まだ、ひよこですが)、アンディーブとエンダイブを間違えて、取り揃えてしまったことがあったことを今思い出しました。

わかりづらいからいけないんじゃんっと、自分のミスを棚に上げ・・・。

●チコリーは糖尿病に効くの?

チコリーは、「肝機能を高め」、「腸内環境を調え」、「むくみを改善」してくれる、身体にいい野菜だそうです。

血圧が上がるのを防いでくれるので糖尿病にも効果的。

とのことですが、これらの栄養は、大きく育った葉や根っこの部分に多く含まれているため、普段食用している柔らかい葉の部分を食べても、それほどの効果は・・・。

でも、葉の部分にも、カリウムや食物繊維は含まれていますし、薬膳でもチコリーは、むくみや便秘解消にも用いられます。

ただ本当にこの効果を期待したいのなら、根っこを乾燥させて、コーヒーやお茶に用いた方がいいみたいです。

実は!よくみなさんが目にする(?)ものの中に、チコリーは含まれているんですよ。

コカ・コーラ社の爽健美茶です。

今度、見てみてくださいね~。

「これ食べたい!」と言ったうちの娘に、「じゃあ今度食べようね」と返事をしたら、
それ以来、食卓に上がる野菜を見て、「これこないだの?」「あ、これ、そう?」といちち聞いてくる・・・。

まだです・・・。

でもそれが、ミニ白菜だったり、白菜だったり、なるほどと思わせる野菜だったりもして。

そうか、チコリーって、オードブルやサラダだけでなく、ミニ白菜みたいな感覚で使ったらおもしろいかも、と、ちょっと娘に感謝(笑)。

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