コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2024年9月9日

Vol.155 猛暑と人手不足に直面する飲食店の課題

こんにちは。

猛暑が続き、迷走台風は、列島を縦断するなど、とんでもない8月でしたね。

少なからず皆さんにも影響があったのではないでしょうか。

メディアが連日大変さを伝えるのは仕方ないのかもしれませんが、我々の商売には悪影響しかありません。

客足は落ちますし、キャンセルも少なくありません。

いくらお客様との絆があろうと、素晴らしい商品を提供していようと、天候にはかないませんね。

9月を迎え、新たな気持ちで元気を出して頑張りましょう。

さて、今回は顧問店の社長と視察を兼ねて居酒屋ミーティングを行った時のお話です。

話題は猛暑と人手不足。「人手もギリギリの中、あまりの暑さで従業員が疲れてしまっているようなので、思い切って2日間臨時休業にして、全員休ませることにしました。」

確かに今年のように猛暑が続くことが当たり前になるようなら、毎年の対策で必要かもしれません。

「やはり、従業員が元気に働いてくれることが一番ですよね。

これからそんなお店が増えるかもしれませんね。」

そう言いながら、店内を何気なく見渡すと、店のある従業員が目に入りました。

とても動きが良く、テキパキと仕事をこなしています。

髪は茶髪ですが、私も慣れてしまって嫌気など起きません。

良く動くいい従業員だという目で見ていました。

ところがこの従業員がやらかしたのです。

それには、ホントがっかりしました。

料理は4~5点テーブルを埋め、上機嫌で話が弾み始め、最初のビールを飲みほして、お代わりをQRコードで頼んだところ、その彼がビールを持ってきました。

「お待たせしました」と置いてさっと戻っていきましたが、その際に、料理が一皿消えています。

「あれっ、今、下げられた皿、食べ終わってた?」

「いや、少し残っていたような…」

「ふーん…」

私も曖昧だった為、まあいいかと、話の続きに戻りました。

ところが社長が気を利かせて、私のビールが1/3ほどになった時、追加を頼んでくれたのですが、持ってきたさきほどの彼は、なんとまだグラスにビールが残っているにも関わらず、素早く持って行ってしまったのです。

声をかける間もなく、私もとっさに反応できませんでした。

まぁ残っているといっても少しだし、事を荒立てるのも大人げないなと我慢したのでした。

しかし、ことはこれで終わらなかったのです。

社長がトイレに立って私が一人になった時でした。

スマホをチェックしていて、顔を上げたところ、「あらっ?」社長の前にあったグラスが消えているではありませんか。

素早いにも程がある。

戻ってきた社長に聞いたところ「まだ残っていましたよ」とのこと。

さすがに近くにいたスタッフの方に、「まだ、飲みかけだったのに、あの茶髪のお兄さん、何も言わずに持って行ってしまったんだよ」と告げると「えっ、そうですか、申し訳ありません。臨時で入っているスタッフなんです。すぐにお持ちします。」

スタッフさんはそう言って新しいグラスを持ってきてくれましたが、〔臨時〕という言葉ですぐに理解しました。

おそらくタイミーかフルキャストかの短時間派遣の人間なのでしょう。

人手不足の中、短時間派遣を使う店は急激に増えています。

単純労働をしてもらうわけですが、ロボットならまだしも人間ですから、少しは心遣いの部分を教育してもらいたいものですね。

皆さんも、今後、同じような短時間派遣を利用するときは、充分お気をつけください。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

では、また。

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