コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2024年10月9日

Vol.156 今の飲食店に求められる視点

こんにちは、猛暑が落ち着き少しは過ごしやすくなると思ったら、なんだか衰えない暑さが続いていますね。

もう少しの辛抱なのでしょう。天候は新しい日本の環境に変わっているのかもしれませんね。

災害に合われた能登半島の方々のことは、本当に心が痛みます。

いつなんどき自分に起こるかわからない時代になったのかもしれません。

10月を迎え、暮れに向かっての準備が始まったであろう皆様も十分お気をつけください。

さて、今回は活気を取り戻してきた街を視察してみようと、都心池袋の街を探索してみました。

平日の夕方、通りはあふれんばかりの人混みです。

さて、どこにしようかとスタッフと二人、歩いていると、行列のできている店を発見!

行列の方々は若い女性が7割ほどでしたが、何屋だかよくわかりません。

並んでいた女性に「ここ、何ですか?」と聞いてみたところ、その女性は、目を輝かしながら、よくぞ聞いてくれましたとばかりに、「かき氷です、美味しいフルーツがたくさん載っているんです。

SNSでも話題になっている有名店なんですよ!」と親切におしえてくれました。

有名店と言われましても、こちとら知りません。

SNS恐るべしですね。

それにしても、もう午後6時だというのに、かき氷に行列とは、夕ご飯はどうするのでしょうか。

余計なお世話だと言われる親父の心境です。

当然他をあたりました。

「お~、良さそうな蕎麦屋があるぞ!」

二人の心は一つにまとまり入店したのでした。

趣のある入り口、店内は綺麗にまとまり、女将さんのにこやかな笑顔のお出迎えに気をよくしながら席についたのですが、店内を見渡すと、お客様が一人もいません。

ここに来るまでの飲食店の混雑を見てきた我々にはちょっと違和感がありました。

「静かで、ゆっくりできそうで、いいね。」

不安を払しょくするように、口にしたのですが、不安は杞憂に終わりました。

ビールはしっかり冷えているし、つまみに頼んだ料理は味付けも良く、天ぷらは揚げたての熱々で美味しく食べることができました。

蕎麦もなかなかのものでした。

ところが私たちが2時間ほどいた間、他のお客様は、常連らしき人が一人〔天せいろ〕を食べに来ただけという閑古鳥が鳴く状態で、ちょっと気の毒になったのでした。

どうしてなのか、職業柄チェックしてしまうのは癖ですから仕方ありません。

まず、メニューが定番のみで古いのです。

その定番も蕎麦屋の人気メニューが揃っていません。

酒に合うつまみも、蕎麦屋とはいえ、あってほしい今の人気商品がありません。

食材の幅が狭くてつまらないのです。

職人が自分都合で、できる商品しか置いていないのでしょう。

場所柄、ランチタイムは、客足はあるのでしょうし、一部のファンはいるのでしょうが、そこまでという感じです。

価格もちょいと高めなので激戦地で勝てないのは想像できます。

会計時、「現金だけなんです」と言われてキャッシュレスでないことに慌ててしまった私ですが、これではSNSなんかおそらく手を付けてさえいないだろうなと感じたのでした。

精算した後、通りを歩きながら、先ほどのかき氷店を見ると、まだ行列があり、他の店もほとんどが満席でした。

商品が美味しいのは当たり前の時代になった今、どう食べていただくか、どう選んでいただくか、どういう価格帯で食べていただくか、あらゆる角度から自店を見なければいけませんね。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

では、また。

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