2024年12月9日
Vol.158 独りよがりのサービスにならないために
こんにちは、12月になり、街が賑わいを取り戻していますね。
ただし、顧問先の社長さんたちからは、「宴会の入り方が弱い」という報告が聞こえてきています。
政局が安定していないことや、物価の高騰に対する不安が消費者の動きを鈍くしているのかもしれません。
毎年のことですが「アルバイト・パートさんが時間調整で働けないので、シフトを作るのに苦労しています」という話もあちこちから上がっています。
103万円・106万円・130万円の壁があることが問題で、働き控えをする人も多い中、見直しが議論されていますね。
税収が減るなどといった懸念もありますが、五公五民という、江戸時代には一揆が起きたような税金の在り方と同じ有様の現代、政府がやりくりが下手なために、稼ぎたい国民に稼がせない現状は早急に変えていただきたいものですね。
さて、今回も都心の飲食店視察を顧問店の社長を含め3人で行った時のお話です。
打合せが終わった午後7時過ぎ、さすが12月に入った街は賑わいを見せています。
おしゃれな感じの店を見つけた女性スタッフが「ここ、良さげじゃないですか」ということで早速入店しました。
店内は満席に近くざわついています。
大音量のBGMが流れ、従業員も走り回っている感じで、その喧騒はこちらが引くぐらいの状態です。
それだけならよかったのですが、迎えた男性従業員がいけなかった。
小走りで近づいてきた彼は「いらっしゃいませ!!何名様ですかあ?」
50cmもない距離感から大音声量、ツバが私の顔に飛んだように感じました。
「うっ」と思いながらも「3人です」
「3名様ですね!!」
「うっ」またツバが・・・。
「ご案内します、こちらにどうぞ!!」
「うっ」またまたツバが・・・。
お客様が気分よくなる接客に、「明るく元気よく笑顔で迎えましょう」というのはよく言われることですが、「明るく元気良く」でこんなに気分が悪くなるのは初めてでした。
活気を作る元気の良さは褒められることであるはずが、「なんだ、コイツっ」と感じられるのは本末転倒ですね。
「こちらに、どうぞ!」案内されたのはカウンター席だったので、それを理由に、「あ、テーブルが良かったのでいいです」とすぐに周り右となりました。
働いていて、店が忙しくなってくると、その雰囲気が自分に憑依するのはわかりますが、外から新規に入店する人は、全然、温度・気分が違います。
「うるさかったですものね」さっさと出たことに、2人も疑問はありませんでした。
「あんな対応と雰囲気では、話ができないものね」
社長も「あいつ、ホント感じ悪かったですね」と、私と同じ印象だったようです。
お客様との距離感やお客様の“今”の様子を感じ取りながら、“明るく元気に”を表現しないと、独りよがりのサービスになってしまうという典型だったようです。
その後、別のおとなしそうな店を見つけて入店したのでした。
お客様が少ない店は疑いながら恐る恐る入るのがいつものことですが、この日は躊躇なしに入りました。
今思えば普通なのかもしれませんが、その時は、なんだか接客も店の雰囲気も快く感じられて、料理も美味しく楽しく食べることができ「店を変えてよかったね。ここいいもんねえ」という言葉まで出ていました。
ホント、大変ですが頑張りましょう。
お客様の笑顔を創りましょう。
では、また。
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