コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2017年10月10日

Vol.160 ビーツ

最近、話題の飲む点滴といえば、「甘酒」。

では、飲む血液といえば?

...。

「ビーツ」だそうです。

10年ほど(いや、もしかしたらまだ5年くらいかも 笑)前までは、「ビーツといえばロシア料理のボルシチに入っているもの」くらいしか知識のなかった野菜ですが。

最近では、栄養価が高いと注目。

更には「インスタ映えする」という理由でも人気の野菜にランキング。

ということで、今回は「ビーツ」。

●ビーツってカブだと思っていた(笑)

ビーツってカブだと思っていたんですよ、私。

つい最近まで(笑)。

日本では、ビーツと呼ばれていますが、調べてみたら、アメリカでは、「テーブルビート」、イギリスでは「ビートルート」、フランスでは「ビートラブ」。

つまり、ビート=甜菜なんですね。

「アカザ科」というほうれん草と同じ科に属し、甜菜の仲間と図鑑には書いてありました(笑)。

ちなみに、和名は火焔菜(カエンサイ)と呼ばれているそうですが、そんな名前の方が聞いたことない(笑)。

●飲む血液って...ちょっと怖い...。

確かに色からして、ちょっと毒々しい色をしていますが...(笑)。

近年、ビーツに「NO(エヌオー)」と呼ばれる成分が発見されました。

これは、血液の量を増やし、血液の流れをよくするだけでなく、血管自体の筋肉を拡張させる作用があるそうです。

なので、飲む血液、といわれるようになったのですね。

そして、上記の作用があるということは、血栓を予防することができる、つまりは、脳卒中や心臓病を予防する。

血液量を増やすことで、筋肉増強効果、そして疲労回復効果が期待でき...。

そしてまた、赤い色の成分、ベタシアニンは、強い抗酸化力があることも知られています。

まさに、アンチエイジング、老化防止のすごい食材ですね。

●どうやって料理したらいいの?

ビーツは土臭いと言われ、また、色がまな板などにつき落ちないため、下処理に困る食材とされていました。

しかし、生で食べられるんです。

よく洗ったあと、皮をむき、薄くスライスします。

さっと水にさらした方が、さっぱりとビーツの甘さ、旨みがよくわかります。

また、ジュースなども思っている以上に飲みやすく、色もきれいに仕上がり、おすすめです。

あ、まな板には色が付きますんで、プラスチック板など専用のまな板を用意した方がいいかと思いますが...(笑)。

でも、初めにまな板をぬらしてから使用すると思ったより色はつきません。

茹でる場合は、洗ったあと、皮つきのまま水から茹でます。

やわらかくなるには、30分~40分ほどかかりますが。

やわらかくなった後は、手で皮がむけます。

そのままポテトサラダのように食べてもいいですし、スープなどに入れるのも、茹でてからがおすすめです。

缶詰めとは全く違った風味がありますので、ぜひ、生をおすすめします。

日本では、濃い赤一色のビーツが主流で、それ以外はほとんど作られていませんでしたが、最近では、黄色い線が入っていたり、うずまきの模様だったりと、きれいなビーツも目にするようになりました。

これらは、近年日本で品種改良されたわけではなく、海外では昔からカラフルなものが作られ、食べられていたとのこと。

日本は遅れているんですね...。

サラダなどにするととてもきれいで、おすすめです。

ただ...、茹でると、他のビーツと変わらず色が一色になってしまうのでご注意を(笑)。

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