コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2025年4月9日

Vol.162 訪れる人々に温かい思い出を残す接客

春の訪れを感じる4月、というには、ほど遠い寒い日々でスタートしましたね。

3月には夏日が4回もあり史上初だとか言われていたのに、何でしょうね、この天気の変わり方は。

体調を崩したスタッフがいて、人手不足に輪をかけて仕事が大変になっているという連絡が数件入っています。

スタッフ各人の体調管理について注意を周知することは大切でしょうね。

もちろん経営者の皆様におかれましてもお気を付けください。

さて今回は、仕事終わり、気になっていた新宿の居酒屋「大黒」を訪れた話です。

なぜかというと、この店は、ただの飲食店ではなく、まるで一つの劇場のような雰囲気を持っているということを聞いていたからです。

店内に足を踏み入れると、とにかく店員さんが元気!

活気あふれるスタッフの声が響き渡り、まるで舞台の幕が上がる瞬間のような高揚感を覚えます。

「ふーん、こんな感じね」と客観的に見る私でした。

ところが確かに普通の居酒屋とは違っていました。

「大黒」の最大の特徴は、スタッフが演じるように接客を行う点です。

お客様が席に着くと、スタッフが笑顔で迎え入れ、まるで親しい友人のように会話を始めます。

料理の説明やおすすめのメニューを紹介する際には、まるでストーリーを語るかのように、情熱を持って話してくれるのです。

このような接客スタイルは、なかなかお目にかかることはありません。

ただの食事を楽しむだけでなく、心温まる交流を生み出すのではないでしょうか。

店内の様子を眺めている際、驚いたのはスタッフの一人が久しぶりに来たお客様らしき人に、好みを覚えていて接していたことです。

前回の訪問時に聞いた、そのお客様の好みを覚えて接する店がどれだけあるでしょうか。

その瞬間、私はこの店に特別な気持ちを抱きました。

お客様との心の交流が、居酒屋「大黒」の最大の魅力なのでしょう。

また、スタッフの中には、将来の夢を持つ若者が多くいるということです。

あるスタッフは、料理の道を志していると話してくれました。

彼女の目はキラキラと輝き、夢を語る姿に私も元気をもらいました。

こうした夢を持つスタッフがいることで、店全体が活気づき、訪れるお客様にもそのエネルギーが伝わるのでしょうね。

この店は、ただの飲食店ではなく、劇場型接客を通じてお客様に特別な体験を提供する場所として特徴を作り出しているのでしょう。

スタッフとの心の交流や、彼らの夢を応援する気持ちが、訪れる人々に温かい思い出を残すことになるわけです。

ホント、大変ですが頑張りましょう。

お客様の笑顔を創りましょう。

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