コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2018年6月7日

Vol.168 薬膳食材の分類(3)

中医学における食材の効能の分類分け。

第1弾では、解表類、清熱類、去湿類、第2弾では、温離塁、理気類、理血類。

今回は、それに続く第3弾。

だんだん飽きてきました?

でもまだまだ続きます(笑)。

●消食類(しょうしょくるい)

消食類は、消化を促進し、消化不良をたすけます。

消化不良によっておこる、お腹が張っている感じや、食欲不振、胸やけや便秘など。

大根、かぶ、オクラ、大麦、サンザシなど。

大根は、日本でも昔から、消化を助けると言われていますね。

マクロビオティックなどでもよくつかわれます。

穀類の食べ過ぎには、大麦と言われます。

麦茶を飲むのは理にかなっているのかもしれません。

肉の食べ過ぎには、サンザシです。

中国では、肉を食べ過ぎたら、その後のデザートには、サンザシが必ずでるとか...。

必ずではないとしても、よくフレッシュのサンザシをおやつ代わりにも食べるそうです。

日本ではなかなか、フレッシュなサンザシはお目にかかれません。

ちなみに、よく路上で砂糖漬けや砂糖でコーティングされているサンザシを目にしますが。

これは、砂糖が入りすぎているので、消化促進にはならず、逆効果ですので、ご注意を(笑)。

●化痰止咳平喘類(かたんしがいへいぜんるい)

さぁ、訳のわからない言葉がでてきました(笑)。

でも、中国語って漢字を見ているとなんとなく理解できませんか?

中国の方とは、筆談した方がいいそうです。

というのはおいといて。

化は、変える。

つまり、痰(湿)を形をかえてなくす。

咳を止め、喘息を平らに、なおす、ということ。

つまりは、湿(余分な水分)が身体にたまり、呼吸器の働きを悪くしている状態を改善してくれるということです。

のり、昆布、クラゲ、あさり、里芋、筍、春菊、豆乳など。

海のものは鹹味で固まっているものを溶かすイメージ。

喘息には、肺を潤して、痰を取り除いてくれるとされる、豆乳がおすすめ。

咳でのどが痛くなっている場合は、春菊や筍なども。

中医学では、大豆と豆腐と豆乳が微妙に分類が違います。

大豆は、利尿作用の強い去湿類、豆腐は、余分な熱をとってくれる清熱類、そして、豆乳は、この化痰止咳平喘類。

たぶん、力を一番発揮できるところに分類されているんですが。

でも、元は同じなので、似たような働きは持っているんですよね。

今まではどちらかというと、具合が悪いところを直しましょうという食材でしたが。

この後、補益類として、4つ。

身体の弱っているところを補ってくれる食材の分類に入ります。

ので、キリがいいので、今回は少ないけれど、ここまで。

まだまだお付き合いくださいませ(笑)。

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