2019年3月11日
Vol.177 季節の薬膳 春Ⅰ
だんだん暖かい日が多くなってまいりました。
春になると、冬眠していた万物が芽吹き、生長する時期に入ります。
夜(陰)の長さが短くなり、昼(陽)の長さが長くなります。
そんな自然の現象が、人の体の中でも起こっているんです。
さすがに、もう私は成長はしませんが...。
あれ?いや体重は成長してる...??(笑)
そこは、気づかなかったことにして。
内側にむいていたベクトルが、外に向けて放出されます。
つまり、冬の間、栄養を貯蓄しようとしていた身体が、今度は、それを発散しようとする訳です。
春はデトックスとよくいわれるのは、このことですね。
今回は、そんな春に食べるとよい薬膳の話。
●まずは、春に表れる身体の特徴から
以前、五行とかと話を少々したように思いますが...。
春は、「風」の気の季節です。
「風」は、上に舞い上がりやすく、あちこちに飛び散るイメージです。
なので、不調は、上半身に出やすくなります。
頭痛や、めまい、目の充血、鼻づまり、のどの痛みなど。顔がかゆくなったりもします。
花粉症の症状にも似ていますね。
これは、身体の中で、うまくデトックスができていない、ということです。
このデトックスは、「肝」の働きです。
春は、「肝」の働きが活発になります。
「肝」の働きが悪くなると、睡眠や精神の不安定な症状が出やすくなります。
不眠やうつ、イライラなどです。もともと、栄養が足りない状態だったり、春の生活の変化などストレスを感じたりすると、肝に影響し、こういった症状がでるのです。
また、「肝」の働きは、消化の働きをする「脾」にも影響してきます。
そのため、「肝」が働きすぎると、食欲不振・疲れになるのは、このためです。
●まずは、これをよくとって、発散の手助けをしてあげましょう
これまた以前、だらだらと、食材の話をしていたと思いますが(笑)。
そこに出てきていたのが、「解表類」。
なんだそりゃ、って感じですかね(笑)。
「解表類」の食材は、発汗性が強く、春のデトックスを手伝ってくれます。
なので、この時期は、この解表類の食材をよくとるようにしましょう。
「解表類」は、「辛温」と「辛涼」に分かれます。
温めながら発汗するか、身体の熱を取りながら発汗するか、です。
今、温活などといわれ、身体を温めることが大切だと言われています。
低体温の方が多く、もちろん、温めることは大切なのですが、一概に、温めればいいとはいえません。
特に、この「肝」は、熱を持つと興奮しやすくなり、イライラが増しやすくなったりもします。
なので、基本は、春分を境に、暖かくなり始めたら、「辛涼」を使用するようにします。
春分をすぎても寒かったり、もともと冷え性の方などは、「辛温」を多めに使用するといいでしょう。
辛温解表類…ねぎ、生姜、紫蘇、みょうが、三つ葉、パクチーなど
辛涼解表類…菊花、ミント、葛など
ちなみに、春は、「筋」「目」「爪」と関係深く。
体調の不良が、ここに表れやすくなります。
目が疲れやすくないですか?春になると筋を痛めたりしていませんか?
こんなことからも、今の身体の状況に気づいたりします。
ところで、日本では、春に菜の花や、たらの芽、ふきのとうなどがでまわります。
これらは、「辛涼」の食材であることが多いです。
温かくなってから、出てくるものなのですね。
出始めた春の山菜を楽しみながら、旬のものを食べることが必要だということを、本当に感じる今日この頃です。
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