2017年12月12日
Vol.18 石田三成に学ぶ黒字社員
今年もあとわずかの年末となりました。
皆さん気を引き締めて体調崩すことなく営業に励んでいただければと思います。
先日、滋賀県長浜を訪問した際、たくさんののぼりが目に入りました。
大一・大万・大吉ののぼりです。
ご当地で未だ慕われている石田三成の「旗印」であることはご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、これには意味があります。
どちらかというと嫌われ者のイメージが強い三成ですが、敗者が永きに渡って「悪者扱い」され続けるのは歴史の常。
ここでは彼が社員として見たらどうだっただろうかと考えてみたいと思います。
戦国武将は手柄を立て石高を上げていくのが普通の夢です。
ところが彼は何度かそれを断っています。
自分がもらうその分を領民の税金にあててくれといってその分は仕事で更に頑張ると言い、実際それだけの仕事をしたというのです。
秀吉から大大名として大きな領地を与えられようとしたときも「お側に仕えたい」と断ったようです。
社長である秀吉の考え方に心酔し、その夢に共感し、共に実現することが彼の想いだったようです。
正に黒字社員ですね。
また、直属の部下となった島左近を雇うときは4万石の自分でありながら2万石で召し抱えています。
領民にも直接意見があれば言ってきてほしいと政治にも民を参加させようとしていました。
領民の一家が関ヶ原で敗れた重症の彼をかくまったのもうなずけます。
(傷が癒えた彼はかくまった一家に難が及ぶといけないと自分から投降します)。
そんな彼ですから関ヶ原で西軍として家康より多い8万人(東軍7万)もの軍勢を集めることができたのでしょう。
当時の力関係は、今の会社で言えば係長か課長クラスですから凄いことです。
残念なことに裏切った大名により形成が逆転して負けてしまいますが、決して能力が低かったわけではありません。
ところで前述の大一・大万・大吉の意味ですが、ひとり(大一)が万民(大万)のためにつくし、万民がひとりのためにつくせば、全員が満足(大吉)できるに違いないという意味です。
彼は国を経済で豊かにする、どんな身分でも努力し優秀なものが豊かになる社会の実現を夢として秀吉と共有していたのです。
鎖国した家康とうまくいくわけがありませんね。
社員が豊かになることを目指し、社長を信じ目の前の仕事に忠実に尽くす、会社を良くして世の中に貢献する、最強の黒字社員です。
三成が関ヶ原で勝っていたら明治維新もなく、初めから経済立国で今の日本は全然違っていたかもしれません。
三成が秀吉に召し抱えられたときの《三献茶》のエピソードは有名ですね。
鷹狩の帰り、疲れた秀吉が寺に立ち寄ったところ、最初はぬるい茶を大きな器で出し、次に温かい茶を、そして最後に小さい器で熱い茶を出したという心遣いは状況で人を見て、しっかり対処する頭の良さと優しさを感じますね。
そんな黒字社員を育てたいものです。
さて、長きにわたりお付き合いいただきました「社長から見る黒字社員・赤字社員」は今月で終了でございます。
また新しいテーマでお会いできるまでお元気でお過ごしください。
ありがとうございました。
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