コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2019年6月10日

Vol.180 季節の薬膳 梅雨Ⅱ

ここのところちょっと忙しい日が続き、疲れがとれないな~と思っていたら。

一昨日から、風邪をひきました...。

のどが痛く、痰が辛み、身体が重く、腰や背中が痛くて動けません...。

身体は熱くなく、熱はなさそうだと思って計ってみると、意外に37.8℃。

微妙...。

この症状、まさに気持ちが悪いほど、梅雨の風邪の症状にぴったりなんです(笑)。

とういことで、今回は、前回に続き、「梅雨」の時期、更に症状がすすむとどうなるの?という話。

●さて今、どんな状況?

前回、梅雨は「脾」の季節です、という話をしました。

「脾」が弱ると、疲れやすくなったり、食欲不振になったりします。

また、「湿」が多い時期でもあり、むくみやすくなります。

その症状が表れやすいのが、口や唇です。

口内炎や、ヘルペスがでたりしていませんか?

また、身体が重く感じたり、重いず~んとした頭の痛みや、腰やひざの痛みなどありませんか?

小便に残尿感が残ったり、下痢気味だったりしていませんか?

こんな症状は、「脾」が弱り、この時期の「湿邪」が入り込んでいるかもしれません。

●そんな時は何がいい?

食薬の分類の中で、やはり、前回もお話ししました身体の余分な湿を取り除く手助けをしてくれるものを積極的にとるようにします。

「去湿類」の中の「利水滲湿(りすいしんしつ)」と「芳香化湿(ほうこうかしつ)」です。

利水滲湿…はと麦、あずき、大豆、黒豆、冬瓜、とうもろこしなど

芳香化湿…カルダモン、フェンネル、スターアニスなど

辛温解表類…ねぎ、生姜、紫蘇、みょうが、三つ葉、パクチーなど

身体のめぐりが悪くなっているために、下に降りていくことが多いので、気をめぐらせてくれる「理気類」もよく使用します。

理気類…玉ねぎ、そば、グリーンピース、らっきょう、ジャスミン、かんきつ類など

この時期は、暑かったり、涼しかったり、気温の変化が激しく、身体がついていっていないことが多いです。

涼しいと思った時には、辛温解表類など、身体を温めながら発汗させて湿をとります。

身体が熱い時には、苦みや身体を少し冷やす食材で熱をとり、湿を排泄します。

身体を冷やす食材をとることと、氷いっぱいの飲み物をぐびぐび飲んだり、冷たいアイスなどを食べることとは違います。

冷たいものや、甘いものは、「脾」を更に弱めるので避けるようにしましょう。

ところで、症状は、口や唇に出やすいといいましたが、舌を見てもわかります。

身体に湿が溜まっていると、舌の苔が、白く厚くなります。

熱をもっていると、この白いのが少し黄味がかります。

この時期の風邪は、熱が外に表れず、ずっとさわっていると熱を感じる「身熱不揚」と言われる症状なことが多く、お子さんの熱などに気付きづらいことが多いのですが。

こうした、身体のサインを見逃さないことも、体調管理には必要です。

と、いいながら、完全に梅雨の風邪をひいた私は、梅雨の風邪薬「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」を飲んで、よく寝ることとします...。

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