コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2019年10月16日

Vol.184 季節の薬膳 秋Ⅱ

私事ですが。先日息子が風邪をひきました。

完全に寝不足からくる体調不良。

わかりやすいくらい、寝不足がちょっと続くと、体調を崩します。

今回の症状は、38℃の発熱。

のどが痛い、空咳、便秘気味。

これまた、わかりやすいくらいの秋の風邪(笑)。

本日は、秋にでやすい症状のお話。

●さて今、どんな状況?

秋分を超えると寒気が急に強まり、温燥から涼燥に変化します。

秋に入り、活発となった肺の働きが、潤いが足りないと弱ってきます。

皮膚が乾燥していませんか?

毛髪の乾燥(フケのような状態)、かゆみ、抜け毛などはありませんか?

鼻やのどが乾燥していませんか?

のどがいつも乾いている、ということはありませんか?

のどの痛みや空咳は、すでに、秋のかぜの始まりです。

便秘や今までなかったアレルギーがでた、というのも、肺の働きのせいかもしれません。

●そんな時は何がいい?

基本は、前回説明した「滋陰類」で肺を潤します。

煮出したお茶やスープなどで、のどを潤しながらとると効果的です。

また、元々の肺のパワー「気」を補充してあげましょう。

それには、よくでてきますね。

「補気類」です。

補気類…お米、キャベツ、芋類、鶏肉、牛肉、はちみつ、など

また、咳がひどい、熱がある場合は、「止咳類」を加えます。

止咳類…海苔、昆布、豆乳、春菊、柿、びわ、梨など

梨は、潤肺の効果もあるので、梨の皮をむいて15分ほど煮だし、そのお湯でお茶を入れて飲むのがおすすめ。

ちなみに、この梨の皮を煮だし、生姜とはちみつ、レモンを加えたお茶を1日3回飲ませたら、息子の熱は下がり、のどの痛みもひきました。

●辛いものはいいか悪いか?

辛いものは、発汗作用が強すぎるので、津液(身体に必要とされる液体)を消耗するため、逆に、潤いが足りなくなりがちです。

そのため、この時期は、刺激的な辛味や香辛料は、控えめにするようします。

しかし、冬に向けて、身体を温める準備もしなくてはなりません。

滋陰類は、身体の熱をとるものが多いため、こればかりを食べ続けていると、冬になったときに、身体が冷えてしまいます。

ですので、秋分を過ぎてからは、生姜や長ネギなど、身体を温める食材を少しずつ加えていくようにするとよいでしょう。

「補陽類」、「温裏類」なども同じ働きです。

補陽類…くるみ、羊肉、えび

温裏類…ニラ、鮭、黒砂糖

秋は、陽から陰へ向け、身体を調えていく時期です。

身体に潤いを与え、夏の熱を取り去り、今度は身体を温めていく。

そして、元気に冬が越せるよう、養生しましょう。

寒くなって、羽毛布団を出したその日の夜、プ~ンと蚊の嫌な音が...。

朝起きると、なんと!左目の瞼だけが腫れてる!!

なぜ、寒くなってから...。

しかも、なぜこの場所に...。

寒くはなってきましたが、まだまだこの秋は10月になっても暑い日があったりして、蚊もまだ活動しているようです...。

体調管理も難しい季節ですね。

とお岩さんのような目で2日間を過ごしたのでした。

ちっ、蚊め。

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