コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2019年11月12日

Vol.185 季節の薬膳 冬Ⅰ

11月8日は立冬でした。

立冬とは、もう冬ですよ、という意味ではなく、初めて冬の気配に気づく時期ですよ、という意味らしいです。

確かに、立冬を境に、急に朝晩が冷えるようになりましたよね。

ここで、冬の準備をしましょうという時期なんですね。

ということで、冬の薬膳の話。

●まずは、冬に表れる身体の特徴から

冬の特徴は、寒くて乾燥していることです。

寒いので、身体の循環(気や血)が悪くなります。

そして、抵抗力が下がります。

ですので、

「身体を温め(温裏・助陽)」

「身体を潤し(滋陰・養血)」

「身体をめぐらせ(理気・活血)」

「免疫力をあげる(解表)」ことが大事です。

また、1年中働いてくれている様々な臓器ですが、その気(もと)となるのが腎です。

冬はその腎に栄養を貯蔵しましょう、という季節。

ここで、きちんと貯蔵できていないと、今までお話してきたそれぞれの季節で、臓器がきちんと働いてくれなくなる訳です。

ですので、まず一番に、身体を養う(補気)ことが必要となります。

●この時期、まずは、これをよくとりましょう

上でほぼ書きましたが。

「身体を温めてくれる(温裏類・補陽類)」

温裏類…ニラ、唐辛子、シナモン、コショウなど。

補陽類…くるみ、羊肉、えびなど。

「身体を潤してくれる(滋陰類・補血類)」

滋陰類…豚肉、ごま、牛乳、卵、ゆり根など。

補血類…ほうれん草、にんじん、レバーなど。

「身体をめぐらせてくれる(理気類・活血類)」

理気類…玉ねぎ、らっきょう、みかんなど。

活血類…青梗菜、慈姑、甜菜、酢など。

「免疫力をあげる(解表類)」

解表類…生姜、長ねぎ、香菜、しそなど。

「身体を養ってくれる(補気類)」

補気類…米、長芋、キャベツ、鶏肉、牛肉など。

これらをバランスよく、そして自分に足りないと思うところを多めにとることが必要なわけですが。

身体に潤いを与えてくれる滋陰類は、涼性のものが多く、冷え性の方は、とり過ぎには注意が必要です。

逆に、身体ほてっている方は、温裏類の香辛料などを取り過ぎると、身体の水分が蒸発しすぎてしまいますので、こちらもとり過ぎには注意が必要です。

つまりは、自分の身体のことをまずよく知ることが大切になってきます。

次回は、腎が弱るとどうなるか、というお話にすすみましょう。

さて。

冬は、貯える季節です。

これは、身体のもととなる「気」や「血」など栄養を蓄える、ということなのですが。

余計なものも貯えやすい季節でもある訳で...。

余計なものは貯えないようにするにはどうしたらよいか、というと、薄着をすることなんですね。

基本、寒いと身体は燃焼しようとし、エネルギーを使います。

冬は、身体は貯えようと動きますが、燃焼もする季節なんです。

しかし今日、暖房や、ヒートテックなどの身体を温めるものが普及し、身体が燃焼しづらくなってきているので、冬=太るとなる訳です。

かといって、Tシャツ短パンでいたら、もちろん風邪ひきます

(うちの息子のような1年中Tシャツ短パンの奴はのぞく)。

なので、1枚、薄着にしましょう。

そして、内臓を温めるものを食べましょう。

また、それでも寒い方は、首類(首、手首、足首)を温めましょう。

首を温めると、血流がよくなるので、身体が温まりやすくなります。

とは、理屈ではよくわかっているのですが。冬はそれでも太るんですよね~(笑)。

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