コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2019年12月9日

Vol.186 季節の薬膳 冬Ⅱ

今年は、例年よりも早い時期にインフルエンザが流行りはじめ。

今なお、流行っているそうです。

うちは、インフルエンザの予防接種は受けないのですが、ここ10年インフルエンザにかかったこともなく。

な~んて余裕かましてると、今年は娘の受験が控えているのですが、その大事な時期にかかったりするんですよね~(笑)。

予防接種も大切ですが、まずは、免疫力をあげること。

体温が1度上がると、免疫力が30%アップすると言われています。

冬の薬膳の中で、「腎陽を補う」とはまさにそれで、内臓から身体を温めることで、体温をあげることなんです。

ということで、今回は、「腎陽を補う」ということとは。

●さて今、どんな状況?

舌を鏡で見てみてください。

白くなっていませんか?

靴下をはいていても、足が冷たくて痛くはありませんか?

腰がだるかったり、腰痛がひどくありませんか?

下半身のむくみがひどくありませんか?

これ、腎が冷えているせいかもしれません。

何か、気になることがあれば、まずは、内臓から身体を温めてあげることが必要です。

●そんな時は何がいい?

基本は、前回説明した、「温裏類」「助陽類」です。

そして、内臓を温めたら、「理気類」や「活血類」で血流をめぐらせ、身体全体の体温を上げます。

寒いと、血流の流れが悪くなり、そのために、腰や首が痛くなるため、血流をよくすることも大切です。

ここで気をつけなくてはいけないことが。

「生姜」。

温活という言葉で一時期、「生姜」ブームを引き起こしましたが。

生姜は、発汗作用が強いんです。

もちろん、身体を温めてもくれますが。

とり過ぎると、発汗作用もあるため、汗をかき、表面の熱を下げます。

なんの問題もない方が、今日は寒いから、ととる分には問題ありませんが、上の4項目全て当てはまり、その症状が強く出ていると言う方は、生姜をとり過ぎると、発汗しすぎてしまうので注意が必要です。

また、更年期障害のように、どっと汗をかく、や、生理不順だったりする場合は、「陰」が足りないことが多いです。

ですので、その方も発汗作用はし過ぎないようにし、更に今度は、「助陽」のし過ぎも気をつけ、「滋陰」のものを多くとるようにします。

まずは、腎を補うために、「黒いもの」、黒ごま、黒きくらげ、などを取る。

そして、基本は、温裏類、助陽類をとる。

とり過ぎには注意する、ということですね。

●インフルエンザ対策には他に何が必要?

うがい、手洗いなどは、おいておきまして。

身体の潤い、です。秋から、乾燥し始めた身体は、冬にピークを迎えます。

ここで必要なのが、身体を潤す滋陰類。

でも、何度も言いますが、滋陰類は冷やすものが多いので、注意が必要です。

内臓を温めながら、潤いを補う、ということが必要ですね。

水分を頻繁に(多くとるわけではなく)とるということも簡単にできるインフルエンザ予防です。

また、腸の動きが悪くなると免疫力が落ちますので、乳酸菌(お漬物やキムチなど)や麹(味噌など)などをよくとり、腸内環境を整えることも必要です。

今年の冬は、風邪やインフルエンザにはかからない、強い身体作りを目指しましょう。

うちも、がんばります笑笑。

さて、今年も最後のコラムとなりました。

本年もお読みいただきまして、ありがとうございました。

今年1年かけて、季節の薬膳について、お話をしてまいりまして。

やっと冬まで終わった、という感じです。

さて、来月からは、ネタ切れですので、また、春から戻ります。

というわけにもいきませんので(笑)、次回からは、体質についてお話ししながら、その薬膳をおすすめしていこうと思っております。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

よいお年をお過ごしください。

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